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日々の便り

 

始まりは、無色。

今日の午前中は色々と用事があったため、午後からまた植物園に行ってきました。そこしか行くところがないのかと突っ込まれそうですが、そうですね、雑用と家事を片付けつつ、夕方6時までに帰宅して家族の夕食を作れる範囲での外出ともなりますと、まぁ旅行は無理でしょう。ならば近場の渋谷や下北沢あたりが考えられますが、これもちょっと。

実は、私は昔から街遊びが苦手なのです。物凄く疲れてしまって、体調を崩すのですよ。現に、浜離宮のときは行きでヘトヘトになってしまって、離宮についた時点でもう足がつりそうになっていました。一方で、木と草のあるところ、土の上を歩くのならこの通り、連日の強行軍でも体調を崩す事はありません。というわけで、今日も植物園へ。

ところが、お盆休みが始まったので、今日の植物園には結構大勢の人が訪れていました。そのせいで虫達が非常に敏感になっていて、まず接近出来ないのです。これには参りました。
今日は成果無しかと諦めかけた私でしたが、あにはからんや、帰る間際になって、飛び切りの発見をしてしまったのです。それが、こちら。

アブラゼミの羽化(Step1)
アブラゼミの羽化(Step1) posted by (C)circias

お分かり頂けるでしょうか、今まさに殻から出てきたばかり、まだ羽も伸ばしていない状態の蝉、恐らくはアブラゼミです。
最初は視界の端にちらりと入っただけなので、よもや蝉の羽化とは思いませんでした。ただ見た事の無い独特の白が気になって、思わず数歩戻ってみたところ、まさかの。

次の写真は、その場でしばし待ってから撮影した写真です。なにしろセミの羽化なんて見た事がありませんでしたから、思わずその場で跪いて、観察を始めました。
羽化は非常にゆっくり進行するので、ハッキリと分かる変化が現れるまで数分かかります。写真は、観察を始めてから二分後の状態。ようやく羽が伸びてきましたが、まだしわくちゃですね。

アブラゼミの羽化(Step4)
アブラゼミの羽化(Step4) posted by (C)circias

幼虫はぶら下がった状態で、時折よたよたと頼りない動きをするため、その度に落下してしまうのではないかと気が気ではありません。羽が伸びる前に落下でもしようものなら、奇形は確定、最悪その場でアリの餌食です。早く伸ばせ、急いで伸ばせと念じつつ、手にあせ握って様子を見守りました。

アブラゼミの羽化(Step7)
アブラゼミの羽化(Step7) posted by (C)circias

上は、観察開始から約五分後の状態。ようやく羽がそれらしい形になりました。しかしよく見ると、まだ皺が多いのが分かります。記録によればたった五分の間の事なのですけど、ここまでなんだか酷く長かったような気がしますね。

アブラゼミの羽化(Step10)
アブラゼミの羽化(Step10) posted by (C)circias

次は、約十四分後の姿。一旦ぴんと伸び切った羽は、驚いた事に今度は少し逆反りになりました。どうやらこれは、羽を少し持ち上げた状態のようですね。完全に開いている訳ではありませんが、少し羽を動かしてみているようです。

アブラゼミの羽化(Step12)
アブラゼミの羽化(Step12) posted by (C)circias

やがて蝉は羽を定位置に戻しました。こうなると、見慣れた蝉の姿です。でもまだ体は全然乾燥していなくて、真っ白のままですね。ようやく胴体の方には色が出てきたようですが。
この後もしばし観察を続けたのですが、ここから先は特に変化も見えないまま、閉門時間でタイムアップに。あと一時間くらいあれば、多分蝉らしい色合いになるところを見れた筈なので、残念でした。

蝉の羽化には、数時間はかかるはずです。私が見付けたのは、胴体が膨らみ終わった状態ですから、恐らく行程の半分くらい終わったところでしょうか。羽を広げ切るのに20分、あとは40分くらいで、それなりに色が入った筈。

それにしても、蝉の羽化というのは普通は夜に行われるものと思っていましたが、こんな時間に羽化するなんて、珍しい事もあったものですね。
まぁ、虫だって結構性質に個体差があるものなので、多少せっかちさんが居ても別におかしなことではないと思いますけれど。でも、その御陰で生まれて初めての体験が出来たのですから、このせっかちさんには大いに感謝しなくてはいけません。

まったく、これだから植物園通いはやめられませんね。毎回必ずという訳にはいきませんが、十年通ったってまだ、こうして新鮮な驚きがあるのです。
それに、彼等の仕草を間近で見ていると、本当に可愛いのですよね。そして、こうして過ごした時間は、とても充足感があるのです。後味が良いというか、後に残るものが心地良いというか。あぁ、いい時間を過ごしたなぁ、という実感がありまして。

やっぱり、休日を過ごすなら、自然の中が良いと思うのです。少なくとも私には、その方が性に合っているようですね。

蝉の日

いやはや、猛烈な暑さですね。既に深夜1時を回ったというのに、ファンで外気を取り入れている状態で、気温33.5度。もうこれは、常軌を逸していると言ってしまっても良いでしょう。
真夜中だというのに、私が子供の頃の日中の最高気温より2.5度も高いなんて。
まぁ日中の気温は37度ありましたので、これでも涼しくなったと言えば、涼しくなったのですけどね。

今日はこの暑さの中、午前中から緑地や植物園を渡り歩いていたのですが、さすがにこれは、虫達にも堪える暑さだったようです。表に虫がいないと思ったら、暗い森の中にわらわらと。僅かに表を飛ぶものも居ましたが、オニヤンマなどは定期的に森に戻って休んでいましたね。

一方で、暑さなんかお構い無しといった風で、元気一杯な虫も居りました。そう、言わずと知れた夏の象徴、蝉達ですね。まぁ彼等は基本的に木陰に居るものなので、逃げるまでもなく常に避暑モードではあるのですが。
そんなわけで今日は、蝉達を追いかけてみました。

アブラゼミ
アブラゼミ posted by (C)circias

まずは都市部セミ代表、アブラゼミ。これは本当にどこにでも居ますね。そして、割と鈍いので近寄り易くて助かります。まぁ猫に喰われる訳だなどと思いつつ、一枚。
一見何の変哲も無い蝉の写真ですが、良く見ると、口を幹に突き立てているのが分かります。ついでに言うと、これは全力で鳴いている時の姿勢。良い声でした。

ニイニイゼミ
ニイニイゼミ posted by (C)circias

二枚目の写真は、ニイニイゼミです。これはあまり見掛ける機会がないですよね。そして、ものっすごく五月蝿い蝉です。アブラゼミが「ジジジジジ」なら、この蝉は「ジー!」というか「ギー!」というか、とにかく継ぎ目の無い機械的な音で鳴きます。
しかもよく聞くと低音成分がウィンウィン唸っていて、本当にブザーかなにかのよう。ちなみにこれも、全力で鳴いている姿勢です。腹が反っているのが分かるでしょうか。

ツクツクボウシ
ツクツクボウシ posted by (C)circias

三枚目は、ツクツクボウシ。目立つ声なのでよく聞きますが、それでいてあまり姿を見掛けませんね。というのも、こうして日陰の枝のしたに隠れている場合が多いからのようです。
アブラゼミやニイニイゼミのように、表から見えるところで鳴いているところはほとんど見掛けません。

この他にミンミンゼミとヒグラシも追ってみたのですが、写真を撮れる位置にとまっている個体が見当たらず、撮影は断念しました。

それにしても、蝉も近くで見ると可愛いものですね。特にツクツクボウシは色合いといいお洒落です。また、ニイニイゼミも羽の模様がいいですね、黙っていれば可愛い奴とはまさに彼等の事だと思います。まぁ、蝉は鳴いてこそなのですが。

至近距離で聞く蝉の声は、本当に凄い迫力です。どの蝉も全力で鳴いてみせてくれたので、その朗々たる声をたっぷりと堪能出来ました。まぁ、ニイニイゼミにはむしろ手加減してもらいたかったのですが・・・しかし、あんなに近くでニイニイゼミの声を聞く機会もなかなかないでしょう。貴重な体験だったと思います。

そんなこんなで今日はずぅっと外に居たのですが、その間飲んだ飲料は何と2.5リットル。それでもトイレに行かずに済んだという事は、全て汗になったと考えてもよいでしょう。
なにしろ、シャワーを浴びて体を拭かずに居る時のような勢いで、汗が地面に滴っていましたから。

動いている時は割と平気だったのですが、今になってちょっと堪えてきました。初日から少しばかりはしゃぎ過ぎてしまったようですね。でも、こんなに充実した休日も久しぶりかな、と。
やっぱり、夏は緑の中にいるのが気持ち良いですね。空気も良いし、景色も良いし、何より見るものに事欠かなくて、退屈しませんから。



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