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日々の便り

 

No Reason to Cry

やれやれ、とりあえず年末の面倒事がひとつ片付きました。あとは明日を乗り切って、歯医者に行って、親戚に配るお節を作って・・・って、私はどうやら年が明けるまでのんびり出来そうにありませんね。
とはいえ、期限が押し迫った仕事をひとつ片付けたというのは開放感があります。このところ御陰で晩も落ち着かない気分でしたが、今日は久々に夕食後の時間をゆっくり過ごすことができました。

というわけで、今日は久しぶりにレコードのお話でも。

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タイトル  :No Reason to Cry
アーティスト:Eric Clapton

なんでも、隠れた名盤と呼ばれることもあるらしい一枚。全体を通して感じるのは、若干ブルースまじりのロックンロールという、Eric Claptonらしさが余すところ無く現れたアルバムだな、という印象です。

一曲目の"Beautiful Thing"は三拍子のバラード。曲調としては明るめなのですが、少しくたびれた物憂い雰囲気がアメリカの田舎町のさびれた景色を思わせます。うにょーんとたるんだ感じのエレキギターの音色がなんとも気だるくて、強い日差しと砂まじりの風と、やや赤茶けた田舎町の風景が似合いそうですね。続く"Carnival"は転じて非常に勢いの良い一曲。タイトル通りのお祭り気分です。

"Sign Language"は再びのったりとした雰囲気で、歌声も怠そう。音程も、恐らくわざと外しているのでしょう。適当にカウボーイが口ずさんでいるようで、なんだかとても西部劇的な印象を受けます。続く"County Jail Blues"はタイトル通りブルース色が強くなるため、よりいっそう西部劇的に。進むにつれ、なんだか頭の中の風景が西部一色になってきました。とはいってもガンマンの活躍する西部ではなく、牛の放牧風景のそれですけれどね。

B面一曲目の"Hello Old Friend"はメロディラインこそポップですが、伴奏が醸し出す雰囲気は相変わらず。タイトルからも想像出来る通り、老人同士が高く手を掲げて楽しげに挨拶を交わし、歩みよってハグするシーンのような、楽しさの中にどこか枯れた感じのある作品です。明るくて楽しい曲なのですが、不思議と枯れていて、溌剌とはしていないのですよね。

"Double Trouble"はブルースですね。でもブルースというにはグッタリ感が少なくて、ちょっとパワフルなブルースです。"Innocent Times"はなぜか女性ボーカルの一曲。歌い出しが"I was the child..."のようですから、恐らく子供時代の思い出を歌ったものなのでしょう。曲調も懐かしき日々って感じです。続く"Hungry"でも女性ボーカルがかなり入っていますね。個人的には女性ボーカルは余計なのですが、もしかすると華やぐ感じでメリハリを付けたかったのかも知れません。

最後の"Black Summer Rain"はなんだか「思い出の・・・」とタイトルを付けたくなるような、ちょっと黄昏れた感じの一曲。といっても悲しげなのではなくて、曲自体は明るいのですが、ちょっぴりセピア調なのです。古いラジオからこの曲が流れてきたら、さぞかし雰囲気が出ることでしょう。ラストのエレキギターの音色が妙に耳に残って、思わずもう一度再生したくなってしまいます。

曲調はブルース的なものもあり、ロックンロールっぽいものもあり。全体を通して女性ボーカルや女性のコーラスを多用していたのは、これまで聴いてきた彼のアルバムとはちょっと印象の異なる部分です。
曲から連想させられる世界はどこか牧歌的で、どこか物憂く気怠くて。きっと、アメリカ南部の農場の風景なのではないかと勝手に想像しているのですが、どうでしょう。

中でも特に印象に残ったのは、やはり最後の"Black Summer Rain"、次点でB面一曲目の"Hello Old Friend"でしょうか。クラプトンの作品はどれも人間臭いのですけれど、このアルバムの作品はそれがより強調されているようで、中でもこの二曲から感じる老人的な温かさは特に心地良いのです。

イントロでハッとさせられるようなキャッチーな曲は無いかわりに、聴き終えてみるとなぜかまた聴きたくなっている、不思議な魅力のあるアルバムでした。なるほど、確かに隠れた名盤かも知れません。

BEHIND THE SUN

風邪惹きもこれで四日目になりますが、まだ本調子ではないようです。今日は加湿器導入のために昼から部屋掃除をはじめたのですが、僅か二時間程度の労働ですっかりバテてしまい、その後は夕方遅くまでずっと寝ているしかありませんでした。

その後は来客もあったので、ほとんど何も出来ない一日だったのですけど、昨日のレコード洗浄の続きだけは、しっかりと。なにしろ盤面に残留物を残したままでは寝覚めが悪いですしね。アルコールが届くのを待って、まずは自作の洗浄液を作成します。

レシピを検索してこのブログに辿り着く方も多いので、ここに書いておきましょう。レシピは以下の通りです。

アルコール:200ml
精製水  :800ml
界面活性剤:10ml

要するにアルコールと精製水を4:1で混ぜ、ドライウェルを10ml添加しただけのものです。ドライウェルはもう少し減らしても良いかも知れませんが、このレシピで特に問題は発生していないので、今のところこれで。

昨日「水の激落ち君」で洗った盤を自作洗浄液で洗い直してみたところ、チリノイズはほぼ無くなりました。やはり、あの洗剤は扱いが難しいですね。そして、気をつけないと残留物が盤面に残るので、逆効果になります。

ちなみに今回実験に使ったのは、こちらのレコードでした。ついでと言ってはなんですが、折角聴いているので感想も書いておきましょうか。

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タイトル  :BEHIND THE SUN
アーティスト:Eric Clapton

Eric Claptonというと古風なロックンロールやブルースのイメージが強い歌手ですが、このアルバムはどちらかというとPOP的な内容です。そもそも、楽曲の造りが聞き慣れたEric Claptonではないのですね。シンセがてんこ盛りでアコースティック感が乏しく、メロディもポップ的なキャッチーさを追求しているように思えます。

アルバムタイトルやジャケットアートからして明るいイメージですが、それに違わず明るい楽曲が続きます。パワフルな"She's Waiting"から始まって、A面は全体的に明るい日差しの似合いそうな曲ばかりですが、特に最後の"Something's Happening"は印象的でしたね。テンポはどちらかといえばスローですが、主旋律がずっとコーラスになっているので、さんさんと降り注ぐ夏の日差しを仰いで歩くような印象の一曲です。

しかし、B面一曲目にはEric Claptonらしさが現れます。"Forever Man"は、彼らしい熱っぽいメロディラインの一曲。そうそう、こういうのが聴きたかった・・・と思う方も多いのでは。ただ、イントロのシンセのフレーズは、GenesisやSurvivorを彷彿とさせる感じでしたが。

二曲目の"It All Depends"は転じてやや大人しめの、午後の暖かな日差しを思わせるようなトーンの一曲。全体的に光量高めの印象だったA面とは好対照ですね。続く"Tangled Love"は再びSurvivorっぽいというか、いかにも80'sという感じのシンセサウンドです。もちろんギターも入っているのですが、シンセ的な音作りになっているので、一体感がある代りにあまり存在感がありません。

B面は熱量多めの曲と、穏やかな曲が交互に入っているようです。そして締めは表題曲の"Behind The Sun"。短い一曲ですが、遠く沈み往く太陽を見送るような穏やかで黄昏れた雰囲気がとても良い感じでした。やはり、A面は午前中、B面は午後をイメージしているのかも知れませんね。

聴き易い曲がとても多い割に、特に印象に残る曲があまりないこのアルバム。シンセ主体になった事も含めて、文句を言うファンが居るのもまぁ無理からぬ事かもしれません。私の場合、各面の最後の一曲ずつくらいしか印象に残りませんでした。間違いなくどの曲も聴き易いのですけれど、その割にこれといって浮かんでくるビジョンがないものですから。

このアルバムについては、どうやらだいぶ否定的な方もいらっしゃるようですね。個人的には、まぁこれはこれで聴き易くて良いアルバムだと思うのですけれど、いかにも80'sだなぁという音作りは、確かに多くのファンがEric Claptonに求めているものではないのかも知れません。

一言で纏めてしまうならば、Eric Clapton流の80'sサウンド。そんな感じの一枚でした。

MONEY AND CIGARETTES

今日は少しばかり暑さが戻ったようですね。さすがに30度はありませんが、現在28度。立派に熱帯夜です。久々に、アイスコーヒーでも飲みたい気分ですね。
昨晩は涼しさのせいか早寝してしまった私ですが、今夜は今夜で暑さのあまり寝てしまいそうです。要するに気温など関係なく、単に疲れているのでしょう。

しかし、まだ寝る訳にはいかないのです。今朝も書きました通り、新しいレコードを是非とも聴いてからでなければ!

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タイトル  :MONEY AND CIGARETTES
アーティスト:ERIC CLAPTON

というわけで、上のLPがそれ。ERIC CLAPTONのMONEY AND CIGARETTESです。Unpluggedがあまりに素晴らしかったので、今月のお給料が出るや否や注文してしまったのでした。

LPは基本的に英国や米国からの船便や空輸になりますので、注文してから届くまでにかなり時間がかかります。まぁ、この待ち時間もまた一興ですね。たっぷり待った分、針を落とす時の期待感も高まるというもの。もっとも、期待が外れた場合のダメージも、その分大きいのですが。

ではこのアルバムはどうだったかと言いますと、概ね満足です。まず音質ですが、これはもう、すこぶる良いですね。ここ数年のレコードだからといって高音質が無条件で保証される訳ではないようですが、このレーベルのレコードは信用してもよさそうです。

一曲目は「EVERYBODY OUGHTA MAKE A CHANGE」、トラディショナルなロックンロールテイストに、若干近代風の音を合わせたような構成の曲です。メロディはキャッチーで乗りも良いですし、音の広がりも心地良く、とても好印象です。

二曲目の「THE SHAPE YOU'RE IN」はよりトラディショナルな感じですが、それでいてテンポはだいぶ速め。曲の雰囲気の割に随分走っているような気がしたのですが、二度目に聴いてみると、それほどでもありませんね。慣れてくるとこちらの方が良いのかもしれません。三曲目以降も、ロックンロールを少し近代的に直したような印象の曲が続きます。

B面はのっけっからロックンロールテイスト全開ですが、これがまたなかなか良い感じで。一曲目の「PRETTY GIRL」は特に好きです。それと、四曲目の「SLOW DOWN LINDA」、いいですね、この曲はメロディといいリズムといいコーラスといい、私の好みど真ん中でした。A面の一曲目と合わせて、この三曲が個人的ベスト3です。

Unpluggedから入ったクチなので、実はアコースティックな曲も期待していたのですけど、このアルバムは全てエレキ、つまりストラトのサウンドでした。
しかしストラトはストラトで、なかなか良いものです。トラディショナルなロックンロールスタイルなので、あまりギターをギュンギュン言わせたりはしないのですが、それでも燻し銀の演奏は充分聞き応えがありました。

音質は全く申し分ありませんし、こうして改めて聴いてみると、「ロックンロール」も良いものですね。これがなかなかどうして、日本の往年の流行曲を聴く時のような、垢抜けない古臭さを感じないのですよ。もちろん、垢抜けている訳でもないのですが。

ひとつの確立されたスタイルとして、なにより心地良い音楽として、これはアリなのではないでしょうか。ロック全盛期が過ぎ去って久しい今日、なおクラプトンが支持され続けている理由が、少し分かった気がします。

Unplugged

昨日と一昨日で土日のダメージを回復出来たので、今晩は少し元気です。というわけで、今日は先週末に届いた、もう一枚のレコードのお話を。
購入したのはこちら、エリック・クラプトンのUnplugged。定番中の定番ですが、私の世代になると、実際に聞いたことがある人は少ないと思います。ロックブームなど、物心つく前に終わっていますからね。

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というわけで、ドキドキしつつ封を切り、レコードを取り出したのですが・・・またしても紙ジャケ、またしても紙屑まみれ。「アナログレコードって、ゴミとか駄目なんじゃないの?」と、思わず頭を抱えてしまいます。大雑把ですねぇ、海外のものって。
しかも盤面が物凄い静電気を帯びていて、さながら埃吸着器。仕方が無いので、自前の洗浄液で一回拭きました。

埃が集まらなくなったところで、気を取り直して再生。一曲目はインストのようですね。まず観客の歓声と拍手が入るのですが、その時点でもう仰天してしまいました。
何が凄いって、音質が凄いのです。部屋の中にコンサートホールが広がる感じ。素晴らしく空間が広く、奥行きがあって、それでいて鮮明なのですね。
小さめのボリュームで、これほど鮮明に空間を描写してくるとは思いませんでした。これはCDでは出来ない表現でしょう。

録音レベルは高め、にも関わらずノイズは皆無。曲が始まると、弾けるようなパーカッションとクラプトン独特のちょっと詰まったような短いギターの音色が生々しく再生され、なんともいえない爽やかな雰囲気を作ります。一曲目のインストは、ちょうど初夏の午前中のような雰囲気ですね。

二曲目からはボーカル入りになりますが、このクラプトンの声がまた滑らかで質量感があって、とにかくリアル。録音の良さが光ります。これと比べてしまうと、同じLPでもJETのそれは数段落ちる感じですねぇ。
たいして高級でもない機材とエントリークラスのカートリッジで、ここまでの音質を得られるだなんて、ちょっとにわかには信じられません。

三曲目は、よくギターで弾いている「hey hey」。知っている曲の筈なのですけど、こうして本物を聞いてみると、やはりカッコイイですね。ギター教本のお手本など比べ物になりません。ある程度までは教本通りで良いのでしょうけど、慣れたらやっぱり本物を勉強して、ちゃんとそちらのニュアンスを汲んで弾かなければ駄目だなと、反省しきりでした。

そして四曲目、「tears in heaven」。名曲と名高いこの曲ですが、なるほど、改めて聴いてみて本当に名曲だと思います。冒頭から、なんというか揺さぶられるのですよ。これは一度聴いたら忘れられない一曲だと思います。

レコードは二枚組で、まだ1枚目のサイドAを聞き終えたばかりなのですけど、思わずもう一度最初から再生中。それくらいに曲も音質も鮮烈で、リピートせずにはいられないようなアルバムでした。

ところで、クラプトンのギターの音色はちょっと独特で、なんというか、息が詰まったような感じの面白い音がするのですよね。ディケイが短い感じで。
TVなどでこの音を聞いた時には、正直どちらかといえば嫌な音を出すなぁと思っていたのですけど、こうしてきちんとレコードを聴いてみると、印象が変わるから不思議なものです。
クラプトンの曲には、この音がとても良く合うのですね。というか、彼の歌には、かな。

専らギターと歌を中心に、他の楽器も交えつつ。ときに格好良く、時に熱く、それでいて時に甘く。様々な表情を見せる歌とギターが夢中にさせてくれます。
もしロックがお好きなら、このアルバムは必聴でしょう。そしてもし可能であれば、LP盤をお勧めしたいところです。音の生々しさが、本当に違いますから。

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