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日々の便り

 

羽を干すカワウ

始めのうちは撮影困難だと思っていた鳥なのに、気がつくと当たり前に撮れるようになっていたということはよくあります。例えばハクセキレイなどはその代表ですし、他にはツグミ、カワセミ、気がつけばアオジも当たり前に接近出来るようになりましたね。それからもう一種、最近やたらと見掛けるのがカワウです。

初めてカワウをまともに撮影出来たのは2/1のことですが、以来あの近辺でカワウを目撃する事が多くなりました。以前はもっと上流域に居て、このあたりで目にする事はそう多くなかったのですが、どうやら最近はこのあたりで活動しているようですね。というわけで今晩は、土曜日に撮影したカワウのお話を。

次の写真は、水中から突き出した杭のようなものに飛び乗ったカワウの様子。最初のうちカワウは泳いでいたのですが、ここまで来ると突如大きな水音とともに立ち上がり、杭に飛び乗ったのです。写真は杭に上がった直後のもので、羽を広げているのはバランスをとるため。大きな波紋が、水から上がった直後である事を物語っています。

杭に上がる
杭に上がる posted by (C)circias

次の写真は、水から上がった直後のカワウの様子。周囲を見回しつつ嘴を開いたり閉じたりしています。ここで注目して頂きたいのは、この時のカワウの羽の状態です。水を含んで、ぼさぼさになっていますよね。しかも、色はほぼ真っ黒に見えます。実はカワウの羽は油分が少なく、簡単に水を含んでしまうのだそうです。そのため、泳いだ後のカワウは、この通りの濡れ鼠になってしまうのだとか。

ずぶ濡れのカワウ
ずぶ濡れのカワウ posted by (C)circias

こうなってしまうと、さしものカワウも飛べなくなってしまうようですね。そこで彼等が行うのが、羽を乾かす作業。時折こうして水から上がると、その翼を広げて小刻みに揺らし、水を振り落とすのです。このカワウも、ややあってその大きな羽を広げ、乾かし始めました。次の写真は、カワウが羽を広げた様子を後ろから撮影したもの。なんというか、ど迫力です。

翼を乾かす
翼を乾かす posted by (C)circias

カワウは側の私には全く警戒していない様子だったので、これ幸いと場所を変え、今度はカワウの正面側に回り込んで撮影してみました。次の写真は、羽を広げたカワウを正面からみた様子。堂々と胸を反らして、ツンと上げた嘴がどことなく偉そうですね。

翼を乾かす
翼を乾かす posted by (C)circias

ネットでカワウの羽干しを検索してみると、結構不気味な画像が出て来ます。そういった写真のカワウはまるでゾンビのように力なく羽を広げているのですが、この個体の仕草はむしろ雄々しい感じがして、美しいとさえ感じてしまいました。前から見るとその顔つきがちょっと滑稽になってしまうのですけど、後ろから見た時の力強さはなかなかのものです。特にこの、背中の反らし具合が奇麗だと思うのは私だけでしょうか。

不気味系のカワウの写真と比べてみると、この個体は羽の先をより高く上げていますね。胸と背中をぐぐっと大きく反らしているのは、羽を目一杯広げるために力を込めているからでしょう。勢い首の動きも力強くなって、どことなく舞踊の振りを極めているような印象になっています。この何ともいえない力強さからすると、もしかしてこの子は若い個体なのかも知れませんね。

しばしそのまま羽を乾かすと、カワウの羽の色はすっかり元通りの色に変わっていました。次の写真は、再び羽を閉じたカワウの様子。あのなんとも冴えない、灰色がかった鱗模様が復活しています。こうなってしまうと、お世辞にも奇麗とは言えませんね。

乾燥後
乾燥後 posted by (C)circias

ところでこの日、私は同じ場所でカワウを二羽見掛けました。流域に何羽のカワウが居るのか分かりませんが、一所に二羽が居るのを見たのはこれが初めて。これはちょっと、心配な事です。何故かと言いますと、カワウは見ての通りの大型鳥類なので、とにかく大食なのですね。具体的には一日に500gの魚を食べるそうで、しかも魚種を選ばないのだとか。

カワウがあまり居ると、魚が根こそぎ食べられてしまうという事もありそうです。そうなれば、カワセミを始めとした川に依存する鳥達が暮らしていけなくなってしまいますからね。川が充分に豊かであれば、そんな心配をする必要もないのですけれど、そもそも野川がどぶ川でなくなったのだって、ここ10年くらいの事ですし。近頃の上流域はカワセミも過密気味だと言いますし、お魚事情が気になる今日この頃です。

カワウを撮る

東京は今日も強い風の吹く一日でした。気温そのものはそれほど低くないのですが、なにしろ風が強いので体感温度はかなり低め。とはいえ雲はなく、光の具合は実に良い感じでしたから、この機を逃す手はありません。という訳で今日も、昼前から野川へ行って来ました。今日は昨日にも増して色々と成果のある一日だったのですが、とりあえず最初の成果のお話からしておきましょう。

野川に着いたのは11時過ぎでしたが、河原に下りてみると、どういうわけか鳥の気配がありません。いつもカワセミの居る橋の辺りから下流方向に歩いてみたのですが、アオジの鳴き声さえ聞かないまま、小田急のガード近くまで歩いてしまいました。すると、行く手に何やら黒々とした大きなものがうずくまっているように見えます。近付いてみたところ、それはカワウでした。

というわけで次の写真が、そのカワウ。逆光で見るとただの影になってしまうので、順光になるように回り込んで撮影してみました。それにしても、まさか本日の一枚目がカワウになるとは思いませんでしたね。カワウは非常に警戒心が強く、普段ならこんなに接近してカメラを向ける事はできません。もっと遠くに居るうちに、さっさと逃げてしまうのです。

カワウ
カワウ posted by (C)circias

どうやらこの個体は、ひなたぼっこをしながら羽繕いをしている最中だったようです。きっとポカポカと暖まって気が緩んでいたのでしょう。すぐ側でカメラを向けているにも関わらず、私になどお構い無しで、羽繕いを続けていました。その様子を撮影出来ましたので、写真をご紹介しましょう。まずは、羽を持ち上げて胸を反らするカワウの様子。人間で言うところの伸びのようなものでしょうか、鳥はみんなこれをやりますよね。

カワウ
カワウ posted by (C)circias

そして再び羽を閉じると、今度は嘴や頭を使って羽を撫で付けて行きます。この仕草も全ての鳥に共通しているものですね。次の写真は頭で羽を撫で付けている様子なのですが、カワウがやるとなんだかちょっと禍々しい絵になってしまう気がするのは私だけでしょうか。

カワウの羽繕い1
カワウの羽繕い1 posted by (C)circias

羽繕いの際には羽を撫で付けるだけでなく、嘴を使って羽を梳いたりもします。次の写真は、まさに嘴で羽を梳いているところ。ごっつい嘴で、器用に羽を整えて行きます。絵的には、羽を梳いていると言うよりも齧っているという感じに見えますけれども。

カワウの羽繕い2
カワウの羽繕い2 posted by (C)circias

こうしてしばし羽繕いを行った後、カワウは上流の方へと飛んで行きました。この時はてっきり私から逃げたものとばかり思っていたのですけれど、どうやらそれは思い過ごしだったようです。人から逃げる場合、彼等は充分に距離を取るので、すぐ近くに降りたりはしません。ところがこの個体は、すぐ近くの浅瀬に降り立つと、そこで狩りを始めたのです。

泳ぐカワウ
泳ぐカワウ posted by (C)circias

上の写真は、泳ぐカワウの様子です。よもやこの近距離で、カワウの狩りを見る事ができるとは思いませんでした。どうしてかは分かりませんが、この子は私の事を流木かなにかとでも思ったのでしょう。逃げる事もなく、浅瀬を行ったり来たりしながら、時折水に潜ったり浮かんだりを繰り返しています。次の写真は、頭を水底に突っ込んだカワウの様子です。

潜水
潜水 posted by (C)circias

カワウは常に体が水没した状態で泳ぐため、水の上には背の一部と首しか出ません。独特のテラテラとした羽や、まるで鱗のようにも見える羽の模様もあいまって、その様子はどこか爬虫類然としています。あるいは、どことなく恐竜的なルックスであるとも言えるでしょう。お世辞にも可愛い鳥ではないのですが、しかし一点だけ、とても奇麗な部分があるのです。

泳ぐカワウ2
泳ぐカワウ2 posted by (C)circias

それはどこかと言いますと、目なのですね。鳥類は見た目は可愛いのに目が恐い種が多いのですが、カワウは見た目が化け物然としているにも拘らず、その目はまるでガラス玉のようにキラキラとしていて、しかも澄んだ淡いブルーなのです。この透明感のある目には、少なからず惹き付けられるものがありますね。

ただ残念ながら、E-PL5+300mmでカワウにピントを合わせるのは、かなり難しいようです。この手のコントラスト型AF採用機は皆、黒一色や白一色のものにピントを合わせ辛いものですが、E-PL5は以前使っていたCX-1よりも、そこが酷いのです。しかも水上のカワウは大抵素早く動き回っているので、互いの距離はどんどん変化してしまいます。AFに時間がかかる300mmにとっては、これが結構痛いのですね。

今回はたまたまカワウの方がまったりモードだった御陰で撮影出来ましたが、さすがにいつもこう上手くは行かないでしょう。どうやら昨日に引き続き、今日も幸運に恵まれたようです。普段はどちらかというと不幸体質なのですが、この週末は一体どうしたというのでしょうね。ツキ過ぎて恐いくらいです。


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