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日々の便り

 

今日も今日とてベースを磨く

今日も東京は雨。かれこれ一ヶ月ほど、週末は雨が続いています。これだけ降ってくれればこの先の水不足の心配もないでしょう、多分。土砂降りではなく、しとしと雨が続いているのも良いですね。土砂降りの雨は地面を潤しませんが、この雨ならしっかりとしみ込んでくれそうです。

まぁそんなわけで、本日もまたベースの修理をしています。今週末は、未処理の金属パーツの磨きと、磨き済みのパーツのクリーニング&防錆処理を行いました。まずは、ヘッドのスリーブの磨きから。

2019-07-07
2019-07-07 posted by (C)circias

サビと汚れですっかり白くなっていたスリーブが、金属光沢を取り戻しました。しかしここで、問題が一点発覚。ヘッドの角に塗装の剥がれを伴う打ち傷が見つかったのです。・・・こんなの、もとからありましたっけ?

2019-07-07
2019-07-07 posted by (C)circias

中古ギターやベースの場合、ここに打ち傷があるのは全く珍しくないのですけど・・・うぅん、あったような、なかったような。分解後は激しくぶつけた覚えもありませんし、元からあったのを見落としていたということかもしれません。まぁいずれにしても、傷があるなら直すまで。ここはラッカーのみでタッチアップしておきましょう。

さて、金属パーツの磨きが終わったら、今度はパーツの脱脂を行います。クリーナーの油や指紋を拭き取る作業ですね。ボロ布にベンジンをつけて、全てのパーツを拭き取りました。一見綺麗になっている金属パーツですが、こうして再度クリーニングしてみると、案外汚れというか、磨き粉が残っているもので。乾いた布では落としきれていなかった汚れで、ボロ布が黒くなりました。一通り脱脂が終わったら、今度は防錆です。今回使用した防錆剤はこちら。



説明書によると筆でぬりつけるとのことですので、表面がベタベタになるほど塗っておくのが本来の使い方のようです。そういえば、購入時に防錆油でベッタベタになっていたFender純正のストラトのブリッジは、あれから5年経っても錆びていませんね。やはり、布で塗るだけでは心許ないか・・・。というわけで、一旦ベタ塗りして、あとで拭うことにしました。

2019-07-07
2019-07-07 posted by (C)circias

写真は、筆で防錆油を塗布している様子。こんな感じで全体に満遍なく、ちょっとベチャベチャするくらいに塗っていきます。防錆油の粘度は低く、CRC556くらいでした。また、防錆材は揮発油の中に防錆成分を溶かしているタイプなので、しばらくすると油は揮発して、まったりとした手触りになります。この状態のまましばらく保管し、組み付ける前に余分な油を拭き取って使います。

メッキが錆びると粉を吹くのは、メッキには無数の微細な穴が空いていて、そこを通して金属そのものに水分などが触れて錆びさせるからなのだとか。なので、初期症状は粉ふきで、それを放置するとメッキが内側から浮いてくるわけです。この防錆剤は浸透力が売りとのことなので、その微細な穴に浸透してくれることを期待しているのですが・・・果たして。

2019-07-07
2019-07-07 posted by (C)circias

クリーニングと防錆だけならもう少し手早くできるかと思っていたのですが、今回も結局、丸一日を費やしてしまいました。写真は、仕上がった金属パーツです。ペグ、ネックプレート、ブリッジ、ブリッジカバー、ストリングガイドなどなど。結構数があったので、手間がかかりました。

そして、ここへきてまた問題がひとつ発覚。どうも、元のオーナーはブリッジカバーのネジを片方紛失したばかりか、代わりに「ビス」を無理やりねじ込んで使っていたようで・・・いやいや、オーナーさん、ちょっと愛がないにも程があるんじゃないですかね。これは酷い。

というわけでネックのタッチアップの他に、ブリッジカバーのネジ穴の穴埋めと開け直し作業が追加されました。この個体、なんとも手ごわいですね。まぁのんびりやりましょう、のんびりと。






金属パーツをひたすら磨く

今日も東京はあいにくのお天気。まぁ、梅雨時にしっかりと雨が降ってくれるのは良いことなのですけれど、降るならいっそきっちりと1日降ってもらいたいものですよね。どんより曇りが続いたかと思うと、思い出したようにザァっとくるので、どうにも油断ができません。雨量的にも、雨の降った日の多い割には少ないのではないかと思いますし。

ともあれそういうわけで、本日も私はベースの修理に勤しんでおりました。今日の作業は、ネック周りの金属パーツのサビ落としと磨きです。本当はサビ落としだけで済ませるつもりだったのですけれど、なんというか習慣というか勢いで、結局磨き粉まで持ち出してしまいまして。

まず磨いたのは、フレットです。次の写真は、マスキングをした指板の様子。ここから手作業で根気よく一本ずつ磨いていきます。ネックは大きいので取り回しに問題があって、機械だと細かいところまで磨けないものですから。それにしてもなんというか、汚いですね。本来銀色のはずのフレットが黒く見えます。

2019-06-30
2019-06-30 posted by (C)circias

フレット磨きが終わったら、次に取り掛かるのがこちら。ペグですね。プレシジョンベースのペグはごつくてカッコイイですね。PBは好みではないなどといっていたあの頃も、このペグにだけはどこか惹かれるものを感じていたものでした。ごっついギアの質感がたまりません。

2019-06-30
2019-06-30 posted by (C)circias

ペグを一つ分解してみたところがこちら。しかしまぁ、これもよく汚れていらっしゃる。まるでむき出しの金属が錆びたかのように見えますが、実はちゃんとメッキされているんです。それがこの有様。表面が酸化してガサガサになったところに埃がこびりつき、湿気と油で固着してサンドペーパーのような手触りになっていました。ここまでくると磨き粉では通用しませんので、真鍮のワイヤブラシでガシガシ磨きます。

2019-06-30
2019-06-30 posted by (C)circias

荒い汚れが落ちたら磨き粉(ピカール)を投入。ある程度曇りを落として、仕上げにルータとワイヤブラシタイプのビットで磨き上げました。ここまでの作業、ペグ一つあたり約1時間程度。なんというか、根気仕事ですね。しかし、綺麗に仕上がったペグを見ていると、次への意欲も湧いてくるというものです。仕上がったパーツは次の写真のように、一揃いずつビニールのケースに保管しておきます。取り付け位置を書いておくのも忘れずに。

2019-06-30
2019-06-30 posted by (C)circias

ひたすら磨き続けること4時間以上、フレットの分も合わせれば6時間以上ですか、なにやら悟りを開きそうな気分になってきたところで、ようやくペグの磨きが終わりました。こちらが、本日の成果です。

2019-06-30
2019-06-30 posted by (C)circias

しかし、まだまだ先は長いですね。ネック側のスリーブはまだ未着手ですし、磨いたパーツは一回脱脂してから防錆処理をしておきたいところ。以前はフェルナンデスのメッキ保護剤を使っていたのですが、効果が微妙だったので、今回は工業用の防錆油を試してみようと思っています。

そこまで終わったら、ネックの磨きとワックスがけ、再組み立て、ボディ磨きという工程になるでしょうか。そのあとはリードが取れてしまったピックアップの修理もしなければなりませんし、まだまだ先は長いです。


指板のサンディングと仕上げ

しばし電装系に浮気をしていましたが、ここらで再び指板の修復のお話を。一週間かけて盛りに盛ったサンディングシーラーですが、ようやく充分な厚さになってくれました。次の写真は、指板の塗装ハガレ二箇所のうちヘッド側の傷に塗り重ねたサンディングシーラーの様子。見た目だいぶ指板より盛り上がっていますね。でも、傷の中の厚みは、これで丁度くらいなんです。

2019-06-29
2019-06-29 posted by (C)circias

まずは、このサンディングシーラーを320番の紙やすりで削って、指板とツライチよりちょっと低いかな、という高さまで下げていきます。この時、指板側をあまり削らないように、細く切った紙やすりで塗装箇所の中心から外側に指先を向けるようにして削るのがコツ。丁寧に根気よく、力入れずに回転数を上げる感じで。削り続けること1時間ほどで、指板面と高さが揃ってくれました。

2019-06-29
2019-06-29 posted by (C)circias

削りが終わったら、今度は仕上げのラッカーを塗ります。ただし、これもサンディングするので余計なところに塗らないように注意が必要。サンディングシーラーを少しだけ余分に削ったのは、ラッカーの厚みを稼ぐためです。ここからの作業は、

1)ラッカーを塗る
2)320番で平面を研ぎ出す

の繰り返しを2回ほど。ラッカーは少し薄め液で薄めた方が、周囲との段差ができづらくて、あとあと楽です。濃いままだと筆跡が残ってしまうので、研ぎ出しに時間がかかりますしね。その後、研いだ面を1000番の紙やすりで水研ぎし、さらにプラスチック用の磨き粉で磨き上げれば完成。次の写真は、二箇所の傷の仕上がり具合です。まずはヘッド側。

2019-06-29
2019-06-29 posted by (C)circias

そしてボディ側の様子がこちら。写真には写りませんが、ボディ側の方が少しうまく仕上がりました。やはり、後で作業した側の方がきれいにできるものなのですね、慣れの関係で。

2019-06-29
2019-06-29 posted by (C)circias

もっとも、どちらも注意しなければ触ってもわからないくらいにはきれいに仕上がりましたので、まぁ素人なりに上手くいった方なのではないかと。さすがに、光を反射させて段差を探されてしまうと、どこからどこまでがラッカーなのかバレてしまうのですが・・・。

なお、傷周りの色が白っぽいのはサンディング痕ではなく、そこだけ日焼けしていないからです。前のオーナーはよほど手酷くこの個体を扱ったようで、早々に指板に穴を開けて、それをシールでごまかしていたようなのですよね。ボディにも同じく酷い打ち傷と、それをシールでごまかした跡があります。

まぁ楽器としては安物の類ですから、扱いが荒くなるのかもしれませんけれど、こういう扱いはちょっと残念。シールでごまかすのではなく、タッチアップにしてくれたら、もう少し綺麗に修復できていたのですけれどねぇ。楽器にシールを貼る人って多いですけれど、あれはやめた方が良いと思うのです。あとで、酷くみっともないことになるので。


古い国産ボリュームの組み立て

日曜日に古い国産のボリュームをバラしましたが、いざ組み立てようという段になって、接点グリスがないことに気がつきました。軸に塗るグリスも、高粘度タイプのものは在庫がありませんでしたね、そういえば。というわけで、慌ててAmazonで注文したのがこちら。



さすがに接点グリスはちょっとお高いですね。普段は滅多に使わない類のものですが、まぁ腐るものでもないですし。それに、もし今回ボリュームの修復に成功したら、今後は同様の作業をする機会が増えそうですしね。というわけでポチって待つこと二日、本日品物が届きました。

では早速グリスを・・・といいたいところですが、その前に片付けなければならない問題が一つあります。それは、摺動する接点のプラパーツを、どうやって軸に固定するかということです。軸を清掃してグリスアップするためにあの出っ張りは削ってしまいましたから、もはやパーツを引っ掛けてくれるものはありません。まぁそもそも潰した軸端を削った時点で、引っ張れば抜ける程度には固定が弱くなっていたようなのですけれども。

というわけで色々考えた結果、軸に穴を開けて針金を通し、ストッパーにすることにしました。というわけで、まずは軸端付近にドリルで穴を開けます。次の写真は、作成した穴の様子。今回はとりあえずお試しということもあり、一箇所だけ穴を開けてみました。穴開けには0.75mmの精密ドリルを使用しています。

2019-06-25
2019-06-25 posted by (C)circias

穴あけと軸の清掃が終わったら、各部をグリスアップして組み上げます。回路部と摺動部のプラパーツを装着し、プラパーツの裏側に顔を出したこの穴に、針金を通した様子がこちら。できれば0.5mmを使いたかったのですが、今回は手元に0.3mmの針金しかなかったので、0.3mmのステンレス針金を用いました。

2019-06-25
2019-06-25 posted by (C)circias

やや頼りない感じはしますが、ストッパーとしては充分に機能してくれるようですね。ただ、心もとない二点支持になってしまっていますので、次に同様の作業をする機会があれば、穴を二箇所にして、せめて四点支持か線による支持にしたいところです。

普通のボリュームならあまり強い力で引っ張られることはないのですけど、ギターのボリュームに限っては、プラノブを引き抜く際にかなり無理な力をかける場合がありますので。とはいえ、今回はプレベなので、この程度のストッパーでも問題はないでしょう、多分。針金をくくって外れないようにしたら、あとはカバーをつけて出来上がりです。

2019-06-25
2019-06-25 posted by (C)circias

ボロボロのドロドロだった小汚いボリュームが、ご覧の通り中も外もきれいに修復されました。試しにテスターで動作を確認してみたところ、問題なく導通しているようです。抵抗値もバラす前と全く変わっていませんでしたので、問題なく使えるのではないかと。もっとも、バラす前から抵抗値が220Kなのはちょっと気になるところですが。

今回は思いつきでボリュームのバラシに挑戦してみましたが、お陰で貴重なノウハウを得ることができました。再組み立てを想定した設計のボリュームをバラしている記事はよく見かけますが、軸に穴を開けて針金で止めるなんて荒技をやっている人は、そう多くは居りますまい。あくまで自己満足であって、特に意味はないのですが・・・こういうのって、不思議な達成感があって楽しいのですよね。これだから修理はやめられません。


古い国産ボリュームを分解する


趣味ならば 茨の道を 往きてこそ

というわけで。一度は断念した国産ボリームの分解ですが、ここはあえて挑んでみることにしました。新しい部品に替えるだけなら別に誰にだって出来るのだし、工具なら一通り揃っているのだし。ついでに今日も生憎のお天気で、山にはいけないのだし。

分解の方法は簡単。昨日の検証でボリュームの軸端を潰してストッパーにしていることは分かっていましたので、単にそこをルータで削って、あとは太めのマイナスドライバをてこにして、慎重に抜き取るだけです。ルータビットは普通のハイス鋼のを選択。あっけないくらいにサクサク削ることができました。思ったよりヤワい金属ですね、これ。で、分解した様子がこちら。

2019-06-23
2019-06-23 posted by (C)circias

ボリュームの軸は回路側が四角くなっていて、そこに樹脂パーツがはめ込まれていました。はめ合いは結構硬く、別に軸端を潰さなくても抜けないのではないかと思えるほど。これは、軸端を潰した時に、軸の末端側が僅かに広がるように変形したためのようです。というわけで、軸端の20倍拡大画像をどうぞ。

2019-06-23
2019-06-23 posted by (C)circias

この広がりがあるために、このままでは軸を引き抜くことができません。軸の歪みを矯正したいなら、この広がった部分を削り落とさなければならないようです。まぁ削るのは全く問題ないのですけれども、問題はその後ですね。どうやって歪んだ軸を直すのか・・・まぁ叩いて直すのでしょうけれど、さすがに板金の技術はないのですよねぇ。

さて、次に問題なのは回路の方。まずは中央のアース側の摺動端子を拡大してみましたが、これは意外にも綺麗なものでした。こちらがその写真です。

2019-06-23
2019-06-23 posted by (C)circias

となれば、問題はやっぱりカーボン抵抗部とその摺動端子ですよねぇ。えぇまぁどうせそんなことだろうと分かってはいましたけれども。けれども! 端子はともかくカーボンは直せないので、ここが傷んでると苦しいところなのですが、はい、ご覧の通りでした。まずはカーボン。

2019-06-23
2019-06-23 posted by (C)circias

文句なしの深溝ですね、残念。とはいえ厚みは残っていますので、絶望的というほどではありません。表面をきれいにクリーニングすれば、あるいはまだいけるのではないでしょうか。一方、端子側はこんな感じでした。

2019-06-23
2019-06-23 posted by (C)circias

これでもかとばかりに汚れてはいますが、幸いそれほど磨耗は見られないようです。これならば、クリーニングして保護剤でコーティングしてやれば、まだ使えるのではないでしょうか。これはちょっと面白くなってきましたね。ここからの作業ですが

1)洗浄
2)CAIGでコーティング
3)接点をグリスアップ
4)軸をグリスアップ
5)再組み立て

で、動作チェックとなります。軸の整形にも挑戦したいですけれど、これは金床とか万力とかがないとどうにもならないのでパス。こういうとき、室内作業は辛いですね。ハンマーをガンガン使える環境が欲しいです。まぁ、東京ではなかなかそんな贅沢な環境は揃えられないのですが。

しかし、こうなってくると、やはりピックアップも一度はオリジナルを使ってみるべきですよね、流れ的に。うぅむ、ピックガード、削りますか・・・。





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