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日々の便り

 

曇り空の下で

引き続き、蝶の写真のお話を。今度は、月曜日に撮影した写真についてです。月曜日は朝から生憎の天気で、ずっと今にも雨が降り出しそうな重い空でした。当然写真の方は全く期待出来ませんので、レコードでも漁りに行こうと思って家を出たのですけど、なんとなく気になって、ここ二日の撮影場所に立ち寄ってみたのでした。

蝶は基本的に、天気が悪いとあまり活動しません。とはいっても別に居なくなる訳ではなくて、大抵の場合は草の影や木の葉の影で休んでいるのですね。ただ、広大な林の中や草原の中から彼等を見つけ出すのは至難なので、なかなかその様子をカメラに納める事ができないのです。

ところが、どうやらこの場所は特別のようでした。恐らくは個体数が多いからなのでしょう、そんな休息中の蝶達の様子を、実に簡単にカメラに納める事ができたのです。まずはお馴染み、ツマグロヒョウモンから。映っているのは、葉の影で休むツマグロヒョウモンの雌。丁度この場所に飛んで来たばかりで、葉の裏に入るところを見る事が出来ました。

お休み中のツマグロヒョウモン
お休み中のツマグロヒョウモン posted by (C)circias

土曜、日曜は賑やかに飛び回っていたモンシロチョウ達も、この日はほとんど飛んでいません。彼等は相変わらず同じ場所に群れているのですが、飛ばずに草の上や葉の影で休息しているのです。次の写真は、葉の影で休息していたモンシロチョウの様子。個体同士では距離を取っている事が多いのですが、この二匹は偶然にもペアでした。サイズが違うので、もしかすると雄と雌のつがいなのかもしれません。

二匹並んで休憩中
二匹並んで休憩中 posted by (C)circias

多くの蝶が休息中であるのに対して、元気よく動き回っている個体も居ました。ヒカゲチョウの類いは勿論なのですが、同じタテハでも、キタテハはこのくらいの明るさならば普通に活動しているようです。次の写真は、ニラの花でせっせと吸蜜中のキタテハ。羽を開いたり閉じたりしながら動き回るので、羽が開いた瞬間を狙ってみました。

吸蜜中
吸蜜中 posted by (C)circias

モンシロチョウもそうですが、キタテハもまた、直射日光の下でない方がむしろ奇麗に写る蝶ですね。光が強過ぎると羽の色がちょっと汚い感じに見えてしまいますけれど、このくらいのぼんやりとした光の下だと、むしろオレンジが奇麗に見えます。特に羽の裏の色合いは、光線が弱い方が奇麗に見えるような気がするのは、私だけでしょうか。

ニラとキタテハ
ニラとキタテハ posted by (C)circias

見ての通り枯れ葉のような色合いの羽ですけれど、このくらいの明るさだと、ニラの花とのコントラストが柔らかくて、ちょっと良い感じに見えますね。思わず、色々な角度から何枚も写真を撮ってしまいました。一般に言う「奇麗」という言葉のイメージとはちょっと違いますけれど、これはこれで奇麗な蝶だと思います。

ニラとキタテハ(2)
ニラとキタテハ(2) posted by (C)circias

もっとも色が奇麗に映っているのは、半分はレンズの御陰だろうと思うのですけどね。というのも、あまりに暗かったもので、この日はM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影していましたから。さすがにF5.6の150mmでは、感度を上げてもシャッター速度が遅くなり過ぎて使い物になりません。こういうときは、F2.8の有難さが身にしみます。

とはいえさすがに暗くなり過ぎたようで、このキタテハもほどなく飛び去って行きました。もう少し明るければ他の蝶がやってくることも期待できたのですが、さすがにもう、蝶には期待できそうもありません。そこで、一応ここ二日で歩いた範囲をざっと流して、何もないようなら帰ることにしたのですが・・・ここで、思いもよらぬ昆虫を見付けてしまったのです。

それは何かと言いますと・・・また長い内容になりそうなので、次回のお楽しみということで。

ニイニイゼミ

おはようございます、という時間ではありませんけれども、実は寝起きです。日中のあまりの暑さのせいで、半ば熱中症のようになっていたのですが、扇風機で涼んでいるうちに、意識が飛んでしまったようでして。でも御陰で、少し息苦しい感じはしなくなりました。そんな訳で日をまたいでしまいましたが、昨日の午後の成果について、少し書いておこうと思います。

昨日は、地域によっては37度を記録したところもあるそうですね。風通しの良い日陰の芝生などという、有り得ない贅沢な環境でも37度なら、市街地一般はどれほどの高温であった事か。現在の室温31度を「とても涼しい」と感じてしまう程ですから、このあたりでも日中は35度以上あったと考えてよさそうです。

そんな環境ですと、暑いと感じるのは人間だけではありません。虫達も日陰に逃げ込んで、その活動をかなり抑制してしまいます。そのため、いつもなら昆虫で賑わっているアベリアの周辺にも、昨日はハナアブさえ見当たりませんでした。この暑さで元気が良い昆虫と言ったら、そう、蝉くらいのものでしょう。もっとも、彼等は常に木陰にいるのですけれどね。

というわけで、昨日は私も森の中に引っ込んで、主に蝉の写真を撮っていました。主な被写体はこちら、ニイニイゼミです。

ニイニイゼミ(1)
ニイニイゼミ(1) posted by (C)circias

止まっている木は山桜の仲間だったでしょうか、神代植物公園の有料エリアに植えられている木です。桜の木は様々な虫に好まれますが、蝉もまた桜を好む昆虫のうちのひとつ。必ずしも桜が選ばれるという訳ではないのですが、やはり桜系の植物に止まっている場合が多いように見えました。

ニイニイゼミ(2)
ニイニイゼミ(2) posted by (C)circias

多くの蝉と同様、ニイニイゼミもまた案外簡単に忍び寄ることができる昆虫です。しかも、案外低い位置に止まっている事が多いのですよね。この個体は帰る少し前に出会ったものですが、マクロレンズで接写しても、平気でそのまま鳴き続けていました。

ニイニイゼミの顔
ニイニイゼミの顔 posted by (C)circias

というわけで、頭部のアップを。ニイニイゼミの目は、案外透明感があります。体もなんだかお洒落な迷彩で、仕草も可愛いので好きですね。それにしても、ここまで近付いても大丈夫だとは思いませんでした。次の写真は、目を等倍撮影したもの。勿論、トリム無しの撮って出しです。

ニイニイゼミの目
ニイニイゼミの目 posted by (C)circias

ニイニイゼミを撮るのは初めてではありませんが、マクロレンズで接写するのは今回が初めてだと思います。逃げられる事は覚悟の上で接写を試みたのですが、警戒するどころか私の事など全く意に介していない様子で。結局この子は、私が立ち去るまでずっと同じ位置で鳴き続けていました。

ところでニイニイゼミと言えば、このあたりでは夏のトップバッター。最初に鳴き始める、あの「ジーッ」という甲高い声の主がこのニイニイゼミです。芭蕉の句にある「岩にしみいる蝉の声」も、このニイニイゼミのことなのだとか。このように昔から親しまれている蝉ではあるのですが、案外この姿を間近でみた事のある方は少ないようです。

都市部でも普通に声を聞く事が出来る蝉ではあるのですが、この保護色もあいまって、しっかり探さないと見付からないのですよね。予めこういう見た目だと分かっていないと、目の前に居ても気付かないことさえあるようです。でも、声を辿って探してみると、案外分かり易いですよ。耳に手を当ててみると居る方向がハッキリわかりますので、探してみると面白いと思います。

蝉の季節

いやはや、突然猛烈に暑くなりましたね。昨日まで、晩は28度くらいだったというのに、今日はまだ室温が32度もあります。日中は室温が38度もありましたから、恐らくこの夏一番の暑さだったのではないでしょうか。8月に入った事ですし、夏もそろそろ本番です。

夏と言えば、欠かす事が出来ないのが蝉ですね。五月蝿いなんていう人もいるそうですが、蝉のいない夏なんて何の風情もないではありませんか。つい先週まではニイニイゼミばかりでしたが、今週はアブラゼミはもちろん、ミンミンゼミやヒグラシも出て来ています。この色々と入り乱れた蝉の大合唱があってこそ、日本の夏というものでしょう。というわけで、今日はまず、蝉の写真を少々。

アブラゼミ
アブラゼミ posted by (C)circias

まずは日本の夏の代表選手、アブラゼミ。鳴き始めるのはニイニイゼミの方が早いのですが、存在感が大きいだけに、蝉と言うとこれというイメージがありますよね。ジャワジャワジャワジャワ・・・と鳴く、最も数の多い種です。暑さの象徴的な位置付けの蝉でもありますが、実はあまり日向は好みません。どの蝉もそうですが、基本的には日陰で鳴いている事が多いようです。

さて、このアブラゼミですが、今日は少しばかり珍しい写真を何枚か撮る事ができました。次の写真は、羽化の途中のアブラゼミ。しかも殻から半分だけ体を出した状態ですから、まだ羽化を始めてそれほど経っていない時点での姿だと思います。これはちょっと、絵的にえぐいですね。虫が苦手な人が見たら、卒倒しそうです。

アブラゼミの羽化
アブラゼミの羽化 posted by (C)circias

ちなみにこの蝉、30分ほど目を離していたら、跡形もなく消えてしまっていました。羽を広げるだけでも15分以上、乾燥にはさらに時間がかかりますから、羽化が完了したというわけではないようです。抜け殻も残っていないところを見ると、カラスあたりにやられたか、おつむの弱い子供に攫われたかしたのでしょうね。気の毒ですが、これが彼の最後の姿になってしまったようです。

すっかり抜け出したあたりでもう一度撮影しようと思っていたのですが、これはちょっとショックでした。しかし、今日はどうも蝉の当たり日だったようで、すぐ側の木で、さらに珍しいものを発見してしまったのです。それがこちら。アブラゼミの幼虫、中身入り。蟬の脱け殻ではなくて、中身が入っていて動く奴です。

アブラゼミの幼虫(2)
アブラゼミの幼虫(2) posted by (C)circias

背中に亀裂が入っていないのと、ちょっとナマナマした感じなのが分かるでしょうか。抜け殻ならば目のところは透明になっていますが、この写真では黒。明らかに中身が入っています。低い位置で羽化する個体が多いのですが、どうやらこの子は慎重派のようで、かなり頑張ってノロノロと木を上っている最中でした。

アブラゼミの幼虫(2)
アブラゼミの幼虫(2) posted by (C)circias

上の写真は直後のもの。この通り、ちゃんと動いているのです。最初は普通に手の届くところに居たので、もし傷付けずにお持ち帰り出来る容器を持っていたら、連れて帰って羽化の観察をしたいところでしたけれど、生憎持ち合わせがありませんで。とりあえず羽化の成功を祈りつつ、見送る事にしました。

その後は、鳴き始めたばかりのヒグラシを少し追ってみました。ヒグラシは暗いところを好む上、木肌と一体化して見えるので、鳴いてくれないとなかなか見付ける事ができません。でも、探すと案外近くに居たりするのですよね。鳴き声がして、驚いて振り返ったらすぐ頭上に居ました、なんてことも多々あります。

ヒグラシ
ヒグラシ posted by (C)circias

というわけで、今年初のヒグラシを。ズームレンズでは明るさが足りなかったので、マクロレンズを使ったのですが、思った以上にその場の雰囲気が再現されています。写真を少し離れてみると、もうヒグラシがいるのが分からなくなるでしょう。こんな感じで、木の皮に見事に溶け込んでいるのですよね。

それにしても、F2.8は明るくて良いですね。M.ZUIKO DIGITAL 60mm F2.8 Macroで蝉を撮るのはこれが初めてですが、17時過ぎの暗い森の中でもこの通りきちんと写るのは、一重にレンズの明るさの御陰。でも、このときのシャッター速度は1/60で、正直手振れを抑えるのが結構大変でした。

欲を言えばもう一段階明るいか、さもなくばF2.8クラスのズームレンズがあると有難いところですね。噂によると今年後半にF2.8の150mmが出るという話なのですが・・・きっと、高いのでしょうねぇ。

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