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日々の便り

 

コミスジと戯れる

昨日の東京は気温、湿度共に高く、とても暑い一日になりました。今週もいつも通り高尾山から景信山まで縦走して来た訳ですけれども、あまりに暑いので一歩ごとに汗が滴り落ちる程でして。御陰で、3リットルもの飲み物を消費したにも拘らず、トイレへ行く必要がなかったくらいです。

先週の事もありますので、熱中症にならないように休み休み歩いたのですけれど、全身水を被ったかのようにびしょびしょで。特に、どういうわけかカメラを構えると、一気にぶわっと汗が噴き出すのには閉口します。あれは、中腰などの無理な姿勢で体を硬直させるからなのでしょうねぇ。あとは、蝶を驚かさないよう、慎重にソロリソロリと動くのが、思いのほか筋肉を使うという事なのでしょう。

昨日は嬉しい事に、数種類の蝶を見る事ができました。つまりそれだけダラダと大量の汗をかいた訳ですが、それはともかく。中でも特に多く見掛けたのが、コミスジです。

紅葉台付近にて
紅葉台付近にて posted by (C)circias

写真は、紅葉台を過ぎて一丁平へ登って行く途中で撮影したもの。どの蝶を多く見掛けるかは、場所と時期により変わります。どうやら今週は、この辺りのコミスジが羽化したのでしょう。羽の状態がとても良いコミスジを、立て続けに三匹程見る事ができました。

そして、それは景信山まで行った帰り道の事。一丁平から少し下ったあたりで、僅かに湿った地面を熱心につついているコミスジを発見しました。次の写真が、その個体。一度接近に失敗したのですが、それでも逃げずに付近に留まっています。これはあれですね、手乗り蝶で遊ぶチャンスです。

一丁平にて
一丁平にて posted by (C)circias

というわけで水で誘ってみたところ、すんなりと手に登って来てくれました。次の写真は、指の乗って来たコミスジです。60mmマクロだと全体をファインダーに収めるのがなかなか難しく、撮影には少し苦労しました。こういう時は、30mmマクロが欲しくなりますね。普段は60mmで充分なので、こんな事でもなければ使う機会はないでしょうけれど。

手乗りコミスジ
手乗りコミスジ posted by (C)circias

上の写真は、結構頑張って手とカメラの距離を稼いで撮っています。もうこうなるとファインダーに収めるので精一杯で、構図がどうとか考えている余裕はありません。しかもコミスジは手の上をちょこまかと歩き回るので、ピントを合わせるのもひと苦労。端から見たらきっと私は、山道で珍妙なポーズを極める不審者に見えた事でしょう。

目をアップで
目をアップで posted by (C)circias

折角手乗りに出来たので、普段はなかなか撮影出来ない、顔のアップを一枚。コミスジの目は青みがかった透明感のある銀色で、これがなかなか奇麗なのですよね。花や葉に止まっている時はこちらを警戒しているので、なかなかアップで撮る機会はありませんから、なかなか貴重な一枚です。

ところで、蝶を手に乗せた時の感触というのは、種類によって異なります。先日のクロヒカゲと比べると、コミスジはもっと軽く、足先も細いのでちょっぴりチクチクする感じ。特に口吻でつつき回されるのはこそばゆい感触でした。大きさは一回り小さいかどうかという程度の差なのですけれど、ハッキリ分かるくらいには軽く、あらゆる部分の線が細くて華奢なのですよね。

さて、そうしてしばしコミスジと戯れていたため、この日は下山が30分も遅くなってしまいました。まぁ夏場なので暗くはなりませんでしたけれども、ここまで遅くなったのは初めてかも知れません。麓についた時には、ケーブルカー駅前の土産物屋は皆店じまいをした後でした。帰った後の事も考えると、もう少し早目に下山するべきだったかも知れません。でも、蝶と遊んでいると、つい時間を忘れてしまうのですよねぇ。


クロヒカゲと戯れる

平地ではこのところ暑い日が続いていますが、山の上もまたかなりの暑さになっているようです。昨日の高尾山は、山頂で約32度。城山でも31.5度と、もはや真夏の暑さです。景信山山頂で茶店の方に伺ったところ、山頂がここまで暑くなる事はあまりなかったそうで、7月半ばにこの気温になったのは初めてかもしれないと驚いていました。

暑さのせいでしょうか、いつもより体が重く、足が上がりません。普段より多めに休みを入れながら歩いたため、景信山到着が普段より30分程遅くなり、山頂でへばっていたためにさらに遅れが拡大して、折り返したのが15時頃。城山を通過した時には、既に16時近くなっていました。しかしその御陰か、珍しい体験をすることができたのです。

次の写真は、城山を下ったところで出会ったクロヒカゲです。名前の通り木陰を好む蝶なので、写真を撮る機会はあまりなかったのですが、今回は接近して写真を撮る事が出来ました。

城山のクロヒカゲ
城山のクロヒカゲ posted by (C)circias

普段ならこの一枚を撮影して、それでおしまいなのですが・・・どうしたわけか、この個体は私を全く警戒していません。どんどんカメラに近付いて来たと思ったら、とうとうレンズに飛び乗ってきました。そんなわけでカメラが使えなくなってしまったので、次の写真は、iPhoneで撮影したものです。

レンズに乗って来た
レンズに乗って来た posted by (C)circias

蝶というのはおもしろいもので、警戒スイッチのようなものがありまして。そのスイッチをオフにできれば、近付こうが触ろうが、逃げようとはしないのですよね。意図的にそうするのは難しいのですが、チャンスがあるとすれば、それは丁度こんな暑い日。指先に水を付けて与えてやったりすると、手乗りにすることもできるのです。というわけで、まずは写真を撮り易い日向へ移動してみました。

ストラップに移動
ストラップに移動 posted by (C)circias

上の写真は、少し歩いたところにある、木製のテーブルにカメラを置いて撮影したもの。クロヒカゲは逃げようともせず、今度はストラップに移動してなにやら口吻を伸ばしています。どうやら、ストラップに染み込んだ汗を吸おうとしているようですね。これならばと、手で水を与えてみたところ、上手くいきました。次の写真は右手に蝶を載せつつ、左手でカメラを操作して撮影しています。

手乗りクロヒカゲ
手乗りクロヒカゲ posted by (C)circias

この後しばらくクロヒカゲと戯れていたのですが、16時を過ぎてしまったため、急いで帰路につきました。しかしクロヒカゲは手の上から移動することもなく。結局、一丁平の木陰に入るまで、私の右手にくっついたままでした。蝶の手乗りは毎年やっていますけれど、ここまで長時間くっついていたのは初めてかも知れません。恐らくですが、移動せずに留まっていれば、暗くなるまで遊んでいられたのではないかと思います。

ただ、山の夕暮れの暗さは半端ではありませんからね。調子に乗って長居していると、痛い目を見ることになります。大変名残惜しくはあったのですが、背に腹は代えられず。一丁平でお別れと相成りました。異常な暑さの御陰ですっかりへばってしまいましたけれど、御陰で貴重な体験をすることができましたし、気分は上々。これだから、山歩きはやめられません。

雨上がりのキタキチョウ

東京はここ二日、高原のような涼しさです。連日35度をマークしていた週中が、まるで嘘のようですね。特に土曜日の涼しさは、少し体調を崩してしまう程でした。とはいえ山に登るなら、むしろこのくらいの方が有難いくらいです。実際、Fitbitの記録によると、全く同じコースを歩いたにも関わらず、今週の方が100kcalくらい、消費が少なかった程ですから。

土曜日の高尾山は雨上がりの曇り空という事もあって、人出はかなり少なめでした。そしてコースは当然泥沼で。しかも、稲荷山コースはスズメバチの巣が出来たために一箇所迂回が必要という、思わぬアクシデント付き。順調な道行きとは言えませんでしたが、しかし、こういうときしか見られない貴重な風景も多々ある訳で。むしろ見慣れた晴れの日の山よりも、楽しめたくらいです。

なんといっても、まず良いのが霧。濃霧は危険なのでご容赦願いたいところですが、うっすらとした霧は実に心地良く、見慣れた景色をまた違った趣に見せてくれます。それに、こういう空気のひんやりとした日って、何故か鳥の声が賑やかなのですよね。霧のかかった木立に木霊する野鳥の声もまた、こういう日ならではの楽しみです。もちろん、草木の葉を飾る露玉も外せません。

ちなみに、ネイチャーフォトの草木の滴はだいたい人工的につけられた偽物ですが、天然物の露も捨てたものではありません。そして今週はそんな露玉に加えて、さらに魅力的な被写体をカメラに納める幸運に恵まれたのでした。というわけで、今週のベストショットを。

キチョウと滴
キチョウと滴 posted by (C)circias

撮影場所は、一丁平です。ズームレンズでは精細感にかけて、滴のキラキラが上手く出なかったので、60mmマクロに付け替えて、頑張ってにじり寄って撮影しました。やはり、このマクロレンズの写りはひと味違いますね。単焦点だからなのか、あるいは単にこのレンズが優れているだけなのか。ひんやりした空気感までちゃんと描写してくれたのには感激しました。

蛇足かも知れませんが、ついでにアップも一枚。さすがにこれ以上近付くのは無理でした。地面に膝をつけばもっとにじり寄る事は出来た筈ですけれど、さすがに泥まみれになるのはちょっと。帰りの電車で、周りのお客さんの迷惑になってしまいますからね。

キチョウと滴
キチョウと滴 posted by (C)circias

今回撮影出来た写真のうち、めぼしいものはこの二枚だけでしたけれど、なんだかとても満足です。こういうことがあるから、緑がある場所へ行くのは止められないのですよね。そして、やはりカメラも手放せません。今年の夏のボーナスでは見送りましたが、やはり昆虫撮影を前提として、レンズの拡充や本体の更新は検討して行きたいですねぇ。





一丁平の蝶達

昨日は色々あってすっかり寝過ごしてしまい、家を出たのが昼過ぎになってしまいました。いくら高尾山が近いとは言っても、さすがにその時間からではいつものコースを歩く事などできません。仕方がないので今回は縦走をすっぱりとあきらめて、一丁平でのんびりと遊ぶ事にしました。

これまでは単なる通過点でしかなかった一丁平ですが、改めて歩き回ってみると、なかなかに見所の多い場所ですね。この時期ですとヤマボウシが見事ですし、草花も多く、そして人の来ない奥の方まで足を伸ばせば、蝶達が沢山飛び回っています。御陰で昨日は、蝶の写真を沢山撮る事が出来ました。というわけで今晩は、この時期に一丁平で見られる蝶達をご紹介したいと思います。

まずはこちら、ジャコウアゲハ。黒いアゲハはこの他に二種類ほど飛んでいるのですが、撮影出来たのはジャコウアゲハだけでした。ちなみにこれは先週の写真です。残念ながら今週はもう、アヤメは散ってしまっていました。

ジャコウアゲハ
ジャコウアゲハ posted by (C)circias

御次はダイミョウセセリ。先週は縦走の全行程で2匹しか目にしませんでしたが、今週は一丁平周辺で6匹以上は確認出来ました。そろそろ時期のようですね。なおこの写真は、一丁平の奥の方にある、ちょっと目立たない脇道で撮影したものです。

ダイミョウセセリ
ダイミョウセセリ posted by (C)circias

同じ場所で撮影出来たのが、次の一枚。写っているのは、イチモンジチョウと言う種です。これはタテハの仲間で、コミスジの親戚ですね。羽の裏の模様も良く似ていますが、サイズはこちらの方がだいぶ大きめです。イチモンジチョウは、もう少し季節が進むと、稲荷山コースなどでも見掛けるようになります。

イチモンジチョウ
イチモンジチョウ posted by (C)circias

次は、イチモンジチョウの親戚で、毎度お馴染みのコミスジ。この種は河原から住宅地、低めの山に至るまで、どこにでも居ますね。高尾山の場合、稲荷山コースから景信山山頂まで、杉林の中を除く下草の多い場所で見掛けます。

コミスジ
コミスジ posted by (C)circias

これに対して、自宅周辺では見た事のない種も撮影出来ました。まずはこちら、スジグロチャバネセセリです。撮影場所は、展望台から居りて行く階段の側です。これと似たような色のセセリは野川にも居るのですが、羽の裏が違うので、初めての種だと分かりました。ちなみに、写真の二匹は雄と雌のペア。後ろに居るのがオスで求愛行動中なのですが、すげなく振られ続けていました。

スジグロチャバネセセリ
スジグロチャバネセセリ posted by (C)circias

最後は、昨日一番の大収穫。アカシジミです。多分、見るのは今回が初めてではないでしょうか。飛んでいるのを見付けた時は、色合いからスジグロチャバネ(こう書くとGみたいですね)かと思ったのですが、飛び方が違うので気になって追ってみたのです。すると、ややあって草に止まったので撮影してみたのですが、これが大正解でした。

アカシジミ
アカシジミ posted by (C)circias

と、計6種を撮影して、所要時間はたったの1時間。もっとじっくりと居座って観察を続けたら、さらに多くの種を撮影出来そうですね。ちなみに、少なくともこの他にモンキアゲハとアサギマダラが飛んでいるのは確認しましたし、ヒカゲチョウの類も最低2種は確認していますから、一丁平だけで最低10種の蝶を見られることになります。

これまで全く認識していませんでしたが、一丁平って、宝の山ではありませんか。まぁ、万事塞翁が馬とでも言いましょうか、寝坊が思わぬ発見を呼び寄せてくれたようです。

スミナガシ再び

歯医者通いもようやく終わり、一月半ぶりの自由な土曜日・・・というわけで、昨日は景信山に行って来ました。天気は快晴、絶好の登山日和というわけで意気揚々と登り始めたのですが、どうしたわけか早々に失速。呼吸も心拍もなんの問題もなかったのですが、どうしても足が上がらないのです。そう、まるで低血糖症になってしまったかのように。気がつけばバケツで水を被ったかのように全身汗みずくで、一歩踏み出すごとに顎から汗が滴るような有様でした。

往復で消費した水の量はなんと2.5L。それでも一度もトイレに行く必要がなかった・・・というか、帰ってさらに飲みまくっても深夜までトイレ不要だったことを考えると、よほど体内の水分が枯渇した状態だったようです。で、帰ってニュースを見て初めて気がついたのですが、どうやら昨日は所謂猛暑だったようですね。体調が悪いのかと思っていたのですが、単純に暑さで参っていたようで。

あんまり汗をかき過ぎたので、帰るなり一風呂浴びて休んだのですが、疲れ過ぎたのか眠ることもできず。かといって何をする集中力も残っていなかったので、布団の上で寝返りを繰り返しているうち、気がつけば朝になっていました。いやはや、これまで景信山までの縦走は月二回のペースで続けていましたが、ここまで疲れたのは初めてかもしれません。とはいえ頑張った甲斐もあり、昨日はスミナガシに触れる事ができました。

スミナガシ
スミナガシ posted by (C)circias

写真は、景信山の少し手前の尾根道で出会ったスミナガシです。スミナガシは基本的に樹液に集まる蝶なので、どちらかというと高いところに停まっていることが多いのですが、この個体はどういうわけか地面に降りていました。ぱっと見乾いた地面ですが、昨日の雨の湿り気はまだ残っていますので、もしかするとそれを吸いにきているのかも知れません。

スミナガシ
スミナガシ posted by (C)circias

上の写真は、別の角度から捉えたスミナガシ。やはり、地面に口吻をつけていますね。こういう動きを見せている蝶は、水で誘う事が出来ます。試しに手に水滴をつけて誘ってみたところ、上手い事手に乗ってくれました。感触は・・・まぁ、このサイズのタテハですからね、ツマグロヒョウモンやルリタテハとさほど変わりはなかったのですが、最近であったばかりの蝶を手乗りに出来たのは、ちょっと感激です。

スミナガシ
スミナガシ posted by (C)circias

景信山山頂でも、スミナガシを数匹見る事ができました。上の写真は、茶店の梁に停まっていたスミナガシ。やはりあまり日の当らない場所なので、感度的にかなり厳しい事になっています。しかし、かなり接近しても警戒されなかったので、マクロレンズに替えて撮影を・・・と思ったら、例によって例の如く、ドスドスと足音高く歩いて来た中年オヤジに追い払われてしまいました。

いつも不思議に思うのですけれど、どうして彼等はあんなにも自己主張が激しいのでしょうね。無警戒に触れさせてくれる個体をすら接近するだけで追い払ってしまう、下品極まりないあの無駄な存在感。誰のためにもならないし、絵的にも最悪なので、もう少しひっそりと生きて欲しいものだと思うのですが。まぁ、あれはそういう生き物だと思って諦めるしかないのでしょうけれど。

その後は前回スミナガシを見掛けた辺りまで行ってみたのですが、今回はスミナガシはおろか蝶一匹見る事が出来ませんでした。どういう条件でこういった差が出るのか分かりませんが、スズメバチすら居ないとは驚きです。恐らく何か条件が変わったのでしょうけれど。その代わり、山頂では多くのコミスジを見る事が出来ました。前回は探しても見付からなかったのに、今回はそこらじゅうにコミスジが居るのです。

コミスジ
コミスジ posted by (C)circias

上の写真は、景信山から下りる途中で撮影した一枚。バックの緑が瑞々しいこともあり、ちょっと良い感じの絵になりました。コミスジは景信山周辺のみならず、一丁平周辺や小仏峠でも見掛けました。どの個体も羽が奇麗でしたので、もしかするとこの二週間で代替わりがあったのかも知れませんね。

稲荷山から城山までの区間では、この他にモンキアゲハやクロアゲハも沢山見る事ができるのですが、彼等は常に飛び回っているので、なかなか撮影の機会がありません。帰り道では紅葉台手前でダイミョウセセリに会ったりもしたのですが、もう完全にアゴが出てしまっていたため、リュックからカメラを引っ張り出す気力が残っていませんでした。あれがアサギマダラだったなら、万難を排してでも撮影したでしょうけれども。

それにしても、今回の景信山行きは疲れました。逆に言えば、体を鍛えるという意味ではかなり効果がありそうです。幸い今日まで引きずるほどのダメージはなかったようですし、できれば毎週でも通って、もう少し鍛えたいものですね。

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