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日々の便り

 

TU-8150でLME49720NAを試す

いやはや、今晩はひどく暑いですね。8月半ばはまるで10月のような気候だったというのに、ここへきて真夏もかくやという暑さ、しかもこの時間に気温31度とは、もはや狂気の沙汰です。だというのにこの暑さの中、部屋を閉め切ってオーディオのテストをやっている私は、側から見たら立派な変態であるに違いありません。

え、クーラーですか? 使いませんよ、苦手なんです。クーラーを浴びるくらいならサウナの方がマシなんですよね。ただこの有様ではさすがに楽器は弾けませんし、そろそろ諦めて購入しなくてはいけないかなぁとは思っているのですが。

それはともかく、今晩もまたOPAMP交換のお話を。またかと思われるかもしれませんが、まだまだ続きます。今回を含め後4つほど買ってありますので、一通りは試してみませんと。もっとも、やっている本人が若干飽き気味になってきているので、どこかで端折ってしまう可能性もなきにしもあらずですが。

さて、今晩テストするのはこちらの石。ナショナルセミコンダクタのLME49720NAです。先日テストしたLM4562NAの後継に当たる製品で、特徴は同じく超低歪みであること。LM4562NAはなかなか良い音でしたので、期待も高まります。

LME49720NA
LME49720NA posted by (C)circias

曲目はいつも通り、まずはジャズピアノ。「Haunted Heart」の最初の一音で、「おっ」となりました。LM4562では感じられなかった高音のキラキラ感が出ていて、第一印象の透明感がとても高いのです。もちろん高音を無駄にとんがらせているわけではないのでバランスは良好ですし、大音量でも崩れないのはLM4562と同様。耳に優しく、それでいて高い透明感のピアノは、一音で惹きつけられる魅力があります。

Martin ZellerのJ.S.Bach Cello Suiteにかえてみると、今度は低音の量感が豊かであることに気付かされます。低音が強くなったもののボワつきはなく、チェロらしい渋さを備えたアタックが魅力的ですね。これは確かにチェロらしい、充分な重みを備えたチェロの音だと思います。ただ、やはり上下を強調したからでしょう、大音量では若干聴き疲れを感じるかもしれません。

James Ehnesのバルトークは、伴奏の迫力が増しました。Violin Concerto No. 1, BB 48a: II. Allegro giocosoがとっても良い感じですね。バイオリンの音色はLM4562とあまり変わりありませんが、少しだけ鋭さが増しているようにも感じます。

Larry Carltonの「Four Hands & a Heart」から「Room335」は、音色の変化がより鮮明になりました。ほんのワンフレーズの間にも、こんなに豊かな表情があったのかと気付かされます。それと、主旋律がより前に出てくる感じになりましたね。空間もLM4562より少し広く感じるような気がします。一方、Metallicaの「Enter Sandman」はLM4562とあまり印象が変わりません。ただ、これも主旋律のクッキリ感が少し増したような。

The Subwaysの「Move to Newlyn」は、LM4562と比べると、主旋律と伴奏のバランスが良くなりました。LM4562と伴奏の聞こえ方はあまり変わらないのですが、主旋律の主張がより強くなり、伴奏と主旋律の前後関係がよりハッキリとした事で、伴奏と被らなくなったようです。これは「Clock」も同様ですね、主旋律が良い感じに前に出てくれています。

ついでに、Jetの「Are You Gonna Be My Girl」と「Roll Over D.J.」も聴いてみましたが、良いですね。歯切れの良さと力強さが生き生きと表現されていて、実にノれます。オーバードライブの歪みも心地よく、ドラムやシンバルの表現も割れたり歪んだりしないので、激しい曲も煩くなりません。この石はとりわけガレージロックが得意のようで。

この石の特徴を簡単にまとめるならつまり、「聴きやすい、そして楽しい」。全体的にまさにLM4562NAの上位互換という感じの石でした。

LM4562のフラット感は失われていますが、代わりに華やかさや楽しさといった、正確さとは対極にある「印象」の部分が程よく強調され、それが本来持っている端正さとバランスよく共存しているように感じます。印象の華やかさはOPA2134PAにやや劣りますが、それを補って余りあるバランスと分離の良さは高く評価せざるを得ません。これは、現時点での最有力候補です。


TU-8150でLM4562NAを試す

Photo蔵の障害やら雑事やらで少し間が空いてしまいましたが、再びTU-8150でのOPAMP載せ替えの続きを。実際は二日前に作業を済ませていたので、この石だけ慣らしの時間がたっぷりと取られているため、あまり公平な比較とは言えませんが、とりあえず今回試すのは、こちらのLM4562NAです。

LM4562NA
LM4562NA posted by (C)circias

ナショナルセミコンダクタのオーディオ用OPAMPであるLM4562NA、その売りは「超低歪み」だそうです。なんでも歪み率0.00003%だそうで、どちらかというとパワーアンプよりもプリアンプやフォノイコに向いていそうな石ですね。実際、そういった用途が推奨されていたりするわけですが、TU-8150にとってのOPAMPは内蔵プリみたいなものですから、ある意味打って付けと言えるのではないでしょうか。

まずはいつものエディ・ヒギンズ、「Haunted Heart」ですが、全体的になんと言うか大人しい音になっています。ピアノの高音はキーンと突き抜けたりせず、しっかり出ているもののなんとも丸い。中音域、低音域もしかりで、まずは尖りがないのが特徴的ですね。とは言え音の分離は極めて良好で、尖っていないのにとてもくっきり聞こえるという、今までにないサウンドになりました。もちろんバランスも良好、確かにHiFiです。

Martin ZellerのJ.S.Bach Cello Suiteは、低音の量感が今ひとつ。ですが、小音量でも大音量でも音のクッキリ感は変わらず、音質も変化なしというある意味凄い結果に。音量を変えると、大抵印象が変わるものなのですが、この石は音量での変化が本当に少ないですね。そして、かなり大音量にしても耳が痛くなりません。なるほど、低歪み。

James Ehnesのバルトークは、バイオリンの音色に「枯れた」雰囲気が加わりました。これまでの石ですと、音色のノイズ部分がそれほど目立たなかったので、若々しい音色に聞こえていたのですが、音色が幾分渋くなって表情も豊かになったように感じます。これまでと方向性が違いますが、これはこれで良いですね。

Larry Carltonの「Four Hands & a Heart」も同様に、ノイズ成分がクッキリ聞こえることで「泣き」が強くなり、主旋律の表情が豊かになっています。ES-335の音色がより魅力的になりましたね。Metallicaの「Enter Sandman」は、ダイナミックレンジがだいぶ広くなったように感じます。イントロの冒頭、音の弱い状態から強い状態への移行が劇的になりました。音がクッキリなのは相変わらずで、ボーカルの聴きやすさもピカイチです。

The Subwaysの「Move to Newlyn」は、音の爽やかさが増した気がします。ちょっとバッキングのギターが目立ちすぎかな、という気もしますが、邪魔になるほどではありません。何しろボーカルがはっきりと立体的に聞こえるので、多少バックが頑張りすぎても問題にならないのです。この性質が顕著に出るのが最後の一曲「Clock」で、他の石ではオケに埋もれがちだったボーカルがしっかりと前に出て、聴きやすくなりました。

というわけで、この石の特徴は「誇張せず」「歪めず」「ハッキリと」と言ったところではないかと。とにかく音が聴きやすく、決して混濁しないのは素晴らしいと思います。また、音量の如何によらずバランスが崩れないというのも、これまで試した石にはなかった特徴ですね。これもまた、この石の良いところです。

一方短所はと言えば、一つだけ。「地味」ということです。ただこれは、私に言わせれば別に短所とは言えませんね。特性上、聞こえ方がややモニタ然としてしまうのは仕方ないことですが、それで音楽の良さが損なわれるなどということはまずあり得ません。ある意味あるべき姿を忠実に再現しているわけで、HiFiという謳い文句に偽りはないと言えるでしょう。

OPA2134PAの華やかさも捨てがたいですが、このなんとも端正な音も好みなのですよね。聴き始めの感動ならOPA2134PAですが、長時間聴くなら俄然LM4562NAでしょう。とりあえずこの石は、有力候補としてキープしておくことにします。



TU-8150でOP275GPを試す

昨日は料理中にうっかりひどい火傷をしてしまったため、徹夜で患部を冷やし続ける羽目になってしまいました。お陰で今晩は酷く眠いのですが、気合を入れてテストの続きを。今晩試すのは、アナログデバイセズのOP275GPです。この石の特色は入力がFETとバイポーラのハイブリッドになっていて、FETの高速応答とバイポーラの低ノイズ性を両立させていることなのだとか。

スペックシートによると、スルーレートは22V/μs。前回試したOPA2134PAの場合は20V/μsくらいですから、確かに高速な石であると言えます。

OP275GP
OP275GP posted by (C)circias

まずはエディ・ヒギンズの「魅惑のとりこ」こと「Haunted Heart」から聴いてみます。第一印象として感じるのは、「中域の厚み」と「ベースの生々しさ」です。3結にしたことであっさりとした筈の中域に、すっかり熱量が戻りました。ベースラインの生々しさは、その影響でアタック周辺の倍音がくっきり聞こえるようになったためでしょう。反面、低音の量感はやや減じたように感じますが、不足ということはないようです。

Martin ZellerのJ.S.Bach Cello Suiteの場合は、やや低域の量感不足を感じますね。アタックの生々しさの割に腰高になってしまって、少しチェロらしさが減じているような気がします。音色がバイオリンっぽいといいますか。もう少し重みがある音だととても良いのですが。逆に、James Ehnesのバルトークはより熱量が増し、色っぽくなっていますね。同時にアタックの切れ味も鋭くなって良い感じです。やはりバイオリンには向く音のようで。

Larry Carltonの「Four Hands & a Heart」からの一曲目、「Room335」はトーンが明らかに明るくなり、イントロのニュアンスがより細やかに聞こえるようになりました。でもちょっと、主旋律が前に押し出しすぎのような気もしますね。とても立体感があって生々しい音ではあるのですが。Metallicaの「Enter Sandman」はドラムの切れ味とギターのアタックが鋭くなった関係で、伴奏の迫力が凄くなりました。一方でボーカルは少し控えめになったような。

そして最後にThe Subwaysの「Move to Newlyn」ですが、メインボーカルの男声がやや控えめになり、ギターの刻みと女性ボーカルがより前に出てくる感じに。コーラスは綺麗になりましたが、一方でボーカルは少しだけ聞き取りづらくなりました。反面、「Turnaround」をはじめとした歪み系のギターを用いた曲では、ディストーションのバリバリ感が、これまでで一番気持ちが良い表現になっています。これは高速性の表れでしょうか。

全体的に、NJM4580Dよりは音質、バランスともに良好ではありますが、OPA2134PAと比べるとバランスでやや劣ように感じます。音が生々しいのは長所ではあるのですが、しかし何故か耳が疲れるので、そういう意味でも聴き疲れしないOPA2134PAの方が好印象でした。一言で表すと、悪くはないがもう一息、といったところでしょう。残念ながら、この石は好みではないので、お蔵入り決定です。



TU-8150でOPA2134PAを試す

再び一晩鳴らしてみて、最終的に接続方法は三結で行くことにしました。音が綺麗というのはもちろんですが、どの音源でもバランスが悪くならないというのもこれを選択した理由です。使い勝手が良い、というのは重要なことですよね。特にこのアンプはこれから先、メインアンプになるかもしれない訳ですし。

さて、出力管の設定も決まったところで、次はオペアンプの選択です。デフォルトのNJM4580Dも決して悪くない、というか、普通のオーディオインターフェースや普及価格帯のオーディオは大抵これなのでは、というくらいスタンダードな石のようなのですが、乗せ替えられるのならいろいろ試して遊ばない手はありません。

というわけで早速、石を載せ替えてみることにしました。最初の一個はこちら、バーブラウン社のOPA2134PAです。ヘッドホンアンプ作成などでしばしば使われる評判の良い石ですので、名前をご存知の方も多いのではないかと思います。

OPA2134PA
OPA2134PA posted by (C)circias

ちなみに、もともと付いていたNJM4580Dはバイポーラ入力で、OPA2134PAはFET入力。入出力のインピーダンスや電流が異なっていますので、回路によっては問題になる場合があります。しかし、TU-8150は12AX7の手前、アンバランス入力を直に受ける形でOPAMPが配されていますので、特に気にする必要はないでしょう。

ソケットから4580を外してサクっと交換、蓋を閉じて早速試聴します。まず再生したのはハイレゾ音源で、エディ・ヒギンズの「Bewitched」です。

魅惑のとりこ
Posted with Amakuri at 2017.8.19
エディ・ヒギンズ・トリオ
ヴィーナスレコード

再生してみてまず感じたのは、重心が高くなったことと、低音のボリューム感が増したこと。と言ってもUL接続の時のように高音が硬くなっていませんし、中域の表現はそのままなので、ドンシャリというわけではないのですが。全体的なトーンが明るくなって、音がよりクッキリとしたように感じます。今回も例によってマニアな皆さんの情報は疑ってかかっていましたので、こうもハッキリと差が出たのは意外でした。

最初はNJM4580の印象が残っているため、少々違和感があったのですが、一曲聴き終える頃にはすっかり馴染んでしまって、これはこれでとても良い音のような気がしてきました。ちなみに秋月でNJM4580Dは驚きの25円。OPA2134PAは320円ですので、10倍以上の価格差がある訳ですけれども、さすがに音の差はそこまでとは思えませんね。こちらの方が良い音であるのは間違いないと思いますけれども。

曲を真空管のテストにも使った「新世界から」に変えてみると、やはり音が少しクリアで明るくなったような印象を受けます。ストリングスの高音に力強さが加わり、5極管から3結に変更した際に失われた熱量が、高音域に限り戻ったようで、バイオリンの音色が良い感じですね。NJM4580より歯切れの良い表現になるので、第四楽章のような速くて激しい曲は特に良さが出るようです。

次に、Martin ZellerのJ.S.Bach Cello Suiteを聴いてみました。こちらもハイレゾ音源で、e-onkyoで購入したものですが、同アルバムのCD版もあるようです。

6 Suites & Violoncello Solo Senza Basso
Posted with Amakuri at 2017.8.19
Bach, Zeller
M.a. Recordings


トーンの明るさはこのアルバムにも現れ、アタックの色っぽさがより強調されるようになりました。残響の減衰はよりスッキリとしましたが、決して不自然ということはなく。もともとハッキリとしていた音の輪郭がより立体的に浮き立つようです。よりチェロの魅力が感じられるようになったような気がします。

それから特筆するべき点として、一曲目のプレリュード、おそらく皆さんご存知のあの有名な作品ですが、5曲管の時には耳が痛くなり、3結で緩和されたもののまだ大音量には向かなかったあの曲が、大音量で聞けるようになりました。つまり、OPAMPの時点で耳につく歪みがあったのが解消されたということなのではないかと思います。

お次はJames Ehnesのバルトークを。彼のバイオリンはもう好きで好きでたまらないのですが、特にこのバルトークのバイオリンコンチェルトは良いですね。何度聞いても本当に惚れ惚れとします。こちらもe-onkyoで購入したハイレゾ音源ですが、CD版も販売されています。OPAMP交換の効果が大きく出たと思われるのは、第一番の二楽章。速いフレーズの音の粒立ちが生々しくなりました。これは癖になりそう。


続いて今度はCD音源から、Larry Carltonの「Four Hands & a Heart」を再生してみましたが、これについては特に何かが変わったような印象は受けませんでした。一方、Metallicaの「Load」一曲目、Enter Sandmanはなんというか、ちょっと明るくなったような(笑 でも同時に歯切れも良くなったので、これはこれで悪くありません。

効果が特に大きかったのは、The Subwaysのアルバム。声が太くなってボーカルがより立体的になっただけでなく、歌い手の微妙な息遣いまで分かるようになりました。伴奏についても、これまで聞こえていなかった音が聞こえるようになり、全体的に音のグレードが一つ上がったような印象に。どうやらNJM4580Dでは微妙なニュアンスがかなりスポイルされてしまっていたようです。

All Or Nothing
Posted with Amakuri at 2017.8.19
Subways
Sire / London/Rhino

特に、大好きな「Move To Newlyn」が初めて聞いた時のあの印象に戻ったのは嬉しいですね。あの時はオーディオI/FからゼンハイザーのHD580で聞いていた訳ですが、アンプ経由で聞いた印象が、あの時の印象そのままになりました。初めて聞いた時のあの感動が蘇ります。Subwaysは再生環境でかなりバランスが変わってしまうデリケートなサウンドなので、この結果は特に嬉しいですね。

最後にJPOPについては、例によってBUMP OF CHICKENとBeについて、やはり音がより立体的になったのが確認できました。特にBUMPについては、小音量で空間が狭くなる現象が解消され、小音量での再生が心地よくなったのが大きいです。これもどちらかというと真空管よりOPAMPの影響だったのですね。

というわけで、一通り試してみて思いますに、もうこれで決まりで良いのでは(笑

最初は価格差ほどの音の差はないと思っていましたが、実は価格なりなのかもしれません。NJM4580はバランス良く音をまとめ、重心を低めにすることで安っぽさを感じさせませんが、その実多くの音を省略していました。OPA2134はその失われた音をしっかりと再生し、その上でそれらをダマにせずにスッキリと聴かせる分解の良さを持っています。

音の見通しが良いので明るくなったような印象になりますが、決して軽いわけではなく。何より一番聴く機会の多いジャズとクラシックに対して強いのが良いですね。これは「当たり」だと思います。





これは3結で決まりかも

昨日試したウルトラリニア、少しはマシになるかと今日一日ランニングをかけておいたのですが、音が硬くシャリついているのは全く改善されませんでした。ULにはULの利点がありましたけれども、しかしやはり、最も多く聴くジャズピアノとクラシックが良くないというのはダメですね。というわけで、3結を試すまでもなくULは没とします。

残るは3結、真空管アンプファンならば大抵賞賛する、かの有名な3結です。あまりに賞賛されすぎていると逆に胡散臭く感じてしまうのですが、果たしてその音は如何なるものか。昨日と同じ条件で比較してみました。使用機器は引き続き、以下の通りです。

PC: Mac mini Mid 2010
DDC: オーロラサウンド HiFace2 Pro
DAC: RASTEME UDAC192H
アンプ:TU-8150
スピーカ:QUAD 11L


○エディ・ヒギンズ:Haunted Heart (24bit 96KHz FLAC)
魅せられし心
Posted with Amakuri at 2017.8.17
エディ・ヒギンズ・トリオ
ヴィーナスレコード

5極管のときほど厚みはないものの、しっかりと丸みと輝きを両立させた、心地よい音がします。意外だったのは、出力は約半分に落ちているというのに、低音のスピード感はむしろ上がっているということ。ベースラインの倍音と輪郭がくっきりとして、歯切れの良い演奏になりました。これと比べてしまうと、5極管の時は結構ブーミーだったのだなと云う事が良くわかります。


○ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調「新世界より」第四楽章 (24bit 96KHz FLAC)
ドヴォルザーク:交響曲 第6番&第9番[Blu-ray Audio]
Posted with Amakuri at 2017.8.17
ドヴォルザーク, マリン・オールソップ, ボルティモア交響楽団
Naxos Blu-ray Audio

UL接続を大音量向きと言いましたが、3結はより大音量に向いていました。ボリュームを目一杯上げても大した音量ではありませんが、しかし他の接続方法ならば間違いなく耳が痛くなっている音量で、耳に違和感を感じることがありません。音はしっかりと整理されていてダマにならず、どこかの周波数が変に強調されて歪みになることもなく、とても耳にやさしい綺麗な音でした。迫力以外は最高点を付けられるのではないかと思います。


○Eagles:Unplugged 1994 (16bit 44.1kHz ALAC)
Unplugged 1994
Posted with Amakuri at 2017.8.17
the Eagles
Good Ship Funke

やはり高音がシャリシャリしていますが、ULの場合と違って刺激が強くないので、苦痛を感じることはありません。これはリマスタで高音を頑張りすぎてしまった疑惑が濃厚になってきましたねぇ。


○Be. :Tones (16bit 44.1kHz ALAC)
Tones
Posted with Amakuri at 2017.8.17
Be.
SEHNA&Co.

ULより柔らかく、自然な音色です。全体的に自己主張が控えめの音ですが、それでいて音が引っ込むということもなく、立体的な音場を綺麗に形成してくれます。欲を言えば、あとほんの少しだけ中域にハリがあると最高なのですが。しかし、聴きやすい音だと思いました。


○森山良子:Living (16bit 44.1kHz ALAC)
Living
Posted with Amakuri at 2017.8.17
森山良子
DREAMUSIC( C)(M)

適度な厚みがあって、自然な声ですね。聞き取りやすさはULと変わりませんが、サ行が刺さることがないので、音量を上げても苦痛に感じません。5極管の時ほどの熱量は感じませんが、暖かい声色は損なわれておらず、良い雰囲気を出しています。「家族写真」は熱量より優しさが強調され、よりホッとする雰囲気になっていました。


○池田綾子:オトムスビ (16bit 44.1kHz ALAC)
オトムスビ
Posted with Amakuri at 2017.8.17
池田綾子
インディーズレーベル

ULでは伴奏が前に出てボーカルが控えめになる感じでしたが、それと比べるとボーカルが前に出て、伴奏はやや控えめになったため、バランスが良くなりました。池田さんの声の場合、もともとそんなに熱量は感じないので、5極管接続の場合と比べて劣っている点はないと思います。


○BUMP OF CHICKEN:Butterflies (16bit 44.1kHz ALAC)
Butterflies(通常盤)
Posted with Amakuri at 2017.8.17
BUMP OF CHICKEN
トイズファクトリー

ボーカルの聞き取りやすさとボーカルとオケのバランスはULの場合とあまり変わらないように感じます。それでいて高音のシャリ付きがなくなったので、とても印象が良くなりました。ただ、音量と空間の広がりが比例しているようで、音量を下げるに連れて左右の空間が狭くなってきます。


○THE SUBWAYS:The Subways (16bit 44.1kHz ALAC)

5極管接続で感じたバランスの悪さは解消されており、そしてULほど刺激的でないのは他のアルバムと同様。バランスはオーディオI/Fにヘッドホンをつけて聞いた時のそれに一番近く、楽器の位置関係も3結の場合が一番正確に再現されているように感じます。バランスは音量を上げても破綻せず、聴きやすさはどの音量でも保たれていました。


つまり3結は、ULと5極管の良いところを足して二で割ったような、どのジャンルも卒なくこなす優等生という事ですね。音の歪みは3結が一番少ないようで、他の方式では耳に圧迫感を感じる場面でも、全く苦痛はありません。唯一欠点を挙げるならばパワーが半分程度に落ちてしまうことで、ボリュームはだいぶ大きめにしておく必要があります。

とはいえ、この音の綺麗さは他の追随を許しませんし、苦手がない上に「真空管らしい」音であるのもポイントが高いところです。なるほど、多くの真空管ファンがやたらとプッシュしているのも納得ですね。これは確かに音が良いですし、使いやすいです。5極管の暑苦しさも捨てがたいものがありますが、3結は間違いなく優秀。どのみちスピード感等はTU-H82のデジタルアンプには敵わないのですし、ここはひとまず3結で行くのが良さそうな気がしてきました。




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