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日々の便り

 

MU-61のスイッチ機構

最近再び、レコードプレーヤの回転数が不安定になってきました。といってもいつも不安定なのではなくて、ふとした拍子に突然ちょっぴり回転数が落ちたりするのです。とりあえず理由を探ろうとあれこれ試してみたところ、どうも不調になるのは回転数の切り替えスイッチを弄った後らしいということが分かりました。

特に調子が悪いのは45回転の方で、速度が上がり切らない事や、きちんと到達していた筈の速度が急に遅くなる事があります。そんな時は回転数切り替えスイッチを手でストローク端まで押し込んでやると、回転数が復旧するのですね。ということは恐らく、スイッチの接触不良かなにかが関係しているのでしょう。

しかも、スイッチの接触不良で回転数が少しだけ落ちるという事は・・・このスイッチ、フィードバックのゲイン回路に直接噛んでいるのではないでしょうか。まさかとは思いますが、症状からして、全くないとは言い切れませんね。もしそうだったら、スイッチの抵抗値の変化が回転数を揺らすのも納得出来ます。

というわけで、今日はMU-61を再び分解してみました。次の写真は、スイッチボードのカバーを外し、露出させた回転数切り替えスイッチの様子。オルタネート機構は重厚な金属製で、外付けなのですね。思いのほか丁寧な造りなのに驚きました。そこに、松下製のマイクロスイッチが取り付けられています。接点タイプは1cで、ねじのピッチは約22mmと約10mm。定格は125V3Aです。

回転数切り替えスイッチ
回転数切り替えスイッチ posted by (C)circias

このスイッチがオンになるのは、45回転を選択しているとき。写真を拡大すると分かりますが、スイッチ横の表記によれば、スイッチがクローズ状態(押し込まれた状態)のときに回路2が選択されるようになっています。よく見たら逆ですね、端子2は「NC」つまりノーマルクローズですから、スイッチがオンしたらここは解放です。

スイッチを普通にオンした場合
スイッチを普通にオンした場合 posted by (C)circias

とはいえこの時は気付かずに、そのまま抵抗を測ってしまいました。まず上の写真は、普通にスイッチをオンした状態。抵抗値は約17kΩでした。次は、スイッチを強く押し込んだ時の抵抗値を。

スイッチを強く押し込んだ場合
スイッチを強く押し込んだ場合 posted by (C)circias

なんと、約2.5k減りました。さすがに2kも減ったら、これは誤差とは言えませんね。これがフィードバック回路にそのまま噛んでいたりしたら、回転数が揺れるのも当然の数値です。これは恐らく内部のバネが劣化するなどして、接続が怪しくなっているのか、絶縁が怪しいのか。念のため、スイッチを外して型番を確認しました。このスイッチは、松下のAM4700という製品のようです。

ネットで検索をかけてみたところ、100個単位で買えるところはあるようなのですが、さすがに100個も要りません。オークションで捌くのも面倒ですし、ここは大人しく代替品を探してみる方が良いでしょう。オルタネート機構が外付けになっている御陰で、定格さえ守ればどんなスイッチでも使えない事はないですしね。ネジ穴が合わないなら切り直せば良いだけの事。あるいは、アダプタを噛ませても良いですし。

スイッチ型番
スイッチ型番 posted by (C)circias

今回は替えの部品が手元にないので、出来るのはここまで。本格的に駄目になる前に、代わりのスイッチを用意したいものですね。もしもこのスイッチがただのスイッチなら、OMRONのVX5-1A2あたりが適合しそうです。そんなに高くもないですし、このスイッチの正体を確認する前に買ってしまっても良いかも知れません。

この手の可動部品は消耗品なので、長年使えばヘタるのは当然。となれば、他の部品も悪くなっていてもおかしくありません。具体的には、回転数調整の可変抵抗あたりは、劣化し易そうな部品ですよね。というわけで、バラしついでにこちらも規格を確認してみました。次の写真は、回転数調整機構の可変抵抗です。

回転数調整用抵抗
回転数調整用抵抗 posted by (C)circias

型番はKCS-003-A、メーカーは分かりません。タイプは500ΩBカーブの二連装。このタイプなら普通に千石あたりで買えそうです。中国製で良ければ秋月でも売っていそうですね。今のところ特に問題は起きていないようですが、ついでに予備を買っておいても良いかも知れません。久しぶりに秋葉原に行ってみたい気もしますが、今は忙しいので、とりあえず通販で探してみるとしましょう。


コンデンサ交換

今日も一日、実によい天気でしたね。絶好のお出かけ日和ではあったのですが、今日は用事を片付ける方に一日を費やしてしまいました。別にその用事は明日でも明後日でもよかったのですけど、先に片付けておいて後顧の憂いなく遊びたかったのです。

ところが。用事を片付けて帰宅した私は、自分がとんでもないミスを犯した事に気がついたのでした。なんと、明日は平日だというではありませんか。何を当たり前のことをと思われるかも知れませんが、うちの会社は明日は休みなのです。てっきり明日は暦の上でも休日だとばかり思っていました。

それで何が困るかと言いますと、植物園にせよ民家園にせよ、文科系の施設というのは基本的に月曜が休みなのです。つまり、植物園に行きたくて仕方ないのをひたすら我慢して、責任を先に果たしたり家族に付き合ったりでここ二日を無駄にした私は、単なる大馬鹿者だったと。月曜日があるから我慢我慢と、ずっと自分に言い聞かせていたのに。

教訓。正直者は馬鹿を見る。もういっそ自棄酒でも飲んで寝てしまおうかとも思ったのですけれど、連休の価値が消滅して無意義になった腹いせに無意義な事をするというのも、なんだか空しいですよね。というわけで部屋を見回したところ、分解したままになっているレコードプレーヤが目に留まったのでした。

成功する保証はありませんが、これの修理が上手くいったら気も晴れるでしょう。いずれにしても自棄酒よりはマシだろうと、早速作業を開始したのでした。制御回路のパターンの読み取りは、さすがに怠いので省略。交換用のケミコンは既に購入済みなので、いきなり交換から入ります。

PIONEER MU-61に使用されているケミコンは、以下の通りです。

○電源回路
35V 1000μF x1
35V 33μF x1
25V 100μF x1

○制御回路
50V 0.47μF x4
50V 2.2μF x1
50V 1μF x1
25V 47μF x1
25V 3.3μF x1
25V 4.7μF x1
16V 100μF x1

まぁ大した個数でもありませんので、割と気楽なものですね。ただ一点注意しなければならないのは、プリント基板の方もだいぶくたびれているので、不用意にコテをあてたり力をかけたりすると、パターンがあっさり剥がれてしまう事。実は最初の一個でちょっとやらかしまして、さすがに焦りました。

用心して電源部のアースから始めたので、余ったコンデンサの足で簡単に補修出来ましたけれども、あれが制御回路だったら一巻の終わりだったかも知れません。

安全に部品を取り外すには、まずハンダ吸い取り器できっちりハンダを吸った後、コンデンサに手を添えて軽く力をかけつつ、コテを部品の足に当てて加熱する事が必要です。見た目上ハンダが無くなっても、まだ微妙に残っていたりしますので、足に熱を加えつつ動かしてやることで、完全に部品を剥がしてやるわけですね。

部品が基盤から完全に浮いたのを確認したらラジオペンチで足を伸ばし、基盤に負担をかけないように注意して引き抜きます。このとき無理にこじったりすると、それでパターンが剥がれてしまう事もあるので、絶対に無理な力はかけないように注意しなければなりません。次の写真は、交換を終えた制御回路です。

交換完了
交換完了 posted by (C)circias

コンデンサ周りにだいぶ余裕ができたのが分かるでしょうか。使用したのは千石電商で売っている一番安い東信のケミコン。決して小型品ではないのですが、それでも同耐圧で同容量なら、一回り以上小さくなっているのですね。まぁもともとの部品は1970年代前半のものですから、違いがあるのは当然と言えば当然です。しかし、これほど進歩していようとは。

さて、次の写真は外した部品です。あらためて一つずつ見てみましたが、やはり見た目で分かるような異常はありませんでした。特に膨れてもいませんし、奇麗なものです。とはいえ、さすがに40年以上前のケミコンですから、普通に寿命と考えるべきですよね。

外した部品
外した部品 posted by (C)circias

部品の交換が完了したので、とりあえず仮組をして先程からずっとレコードをかけているのですけど、今のところ調子は良いようです。交換前のように、再生していていきなり回転がダレてくるような事はありません。回転の立ち上がりも、心なしか速くなった気もしますし、やはりケミコンの交換は効果があったようです。あと何枚かレコードを聴いてみて、それでも大丈夫なら修理は成功と考えて良いでしょう。

それにしても、久しぶりにレコードを聴いてみてつくづく思ったのですが・・・やっぱり、レコードって良いですね。なにより、良い音楽のある日常というのはこんなに豊かなものかと。気がついたら、暗澹たる気分もどこかへ吹き飛んでいました。どうせ明日は行くところもないのですし、いっそこのまま徹夜でレコードを聴くのも良いかも知れませんね。

やっぱり、音楽は最高です。

電源回路を読む

今朝は早起きし過ぎたので、早目に電池が切れるかと思っていたのですが、豈図らんや、まだ持ちこたえています。どうやら眠った感じがしなくとも、睡眠時間なりの休息にはなっていたようで。御陰で、今日はいつもより少し有意義な晩の時間を過ごす事ができました。

何をしていたのかと言いますと、先日故障したレコードプレーヤの調査です。まずは、電源回路から。次の二枚は、PIONEER MU-61の電源部の表裏の写真です。

MU-61 電源回路
MU-61 電源回路 posted by (C)circias

MU-61 電源回路裏
MU-61 電源回路裏 posted by (C)circias

割とシンプルな回路ですね。ぱっと見痛んでいそうな部品はありませんし、電圧を測ってみてもふらついているような部分はありません。モーターに負荷をかけても出力電圧に変化はないので、ケミコンの劣化はどうだか知りませんが、それ以外の素子には全く異常がないと考えても良いでしょう。

MU-61の電源回路は、トランスで減圧した交流をブリッジ整流し、簡単なCR型のリプルフィルタを通した後ダーリントンに放り込んで電流を強化するだけの、ごくシンプルな電源回路です。もちろんダーリントンの入口には電圧制御用の回路がついていて、出力は負荷によらず16Vで安定するようになっています。

まずは、ブリッジからダーリントンの部分を回路図にしてみました。ちなみにこれ、ボールペンでコピー用紙に一発殴り書きしただけのものなので、見苦しいのはご容赦下さい。今気がつきましたが、この殴り書き、0V端子が接地していませんねぇ(笑

ダーリントン
ダーリントン posted by (C)circias

ダーリントンの一段目は2SC372Y、二段目が2SD130BLです。使用されているケミコンは、ニッケミの33μFと1000μFでした。この回路の出力電圧は、一段目のVbから一段目と二段のベースーエミッタ間電圧を引いたものになる・・・と思います、多分。

Vout=Vb1-(Vbe1+Vbe2)

しばらく回路は触っていないのでちょっと記憶があやふやになっていますが、合っていますよね。で、ということは、Vb1を上下させてやれば、出力電圧を調整出来るという理屈になるわけですね。その役目を担っているのが、一段目のベースに接続された抵抗と、次の回路です。

電圧制御回路
電圧制御回路 posted by (C)circias

同じく2SC372Yを使った割とシンプルな回路ですね。この回路は、ダーリントンの出力電圧に比例して、一枚目の回路の端子1のところから吸い込む電流を増減するようにできています。

つまり、負荷が減って出力電圧が上がろうとすると、すかさずこの回路が吸い込む電流を増やします。するとダーリントン一段目のベースについている抵抗による電圧降下が増え、結果的にVb1が下がり・・・という仕組み。

逆の場合の動作も同様です。負荷が増えて出力電圧が下がりそうになると、この回路が吸い込む電流を減らすので、Vb1が上昇して出力電圧を一定に保ちます。

かなり久しぶりなので自信はありませんが、割と良くある簡易型定電圧回路だと思います、多分。この程度の仕組みなら別の回路に置き換える事も可能ですし、もし弄くり回して壊してしまったとしても、電源については特に心配する必要はなさそうですね。コンデンサの役割も分かりましたので、サクっと新品に交換してしまっても大丈夫でしょう。

連休に入ったら、まずは電源部から部品を交換してみようと思います。


故障再び

おはようございます。只今午前4時、例によって夕食をとる事もできずに潰れてしまいました。作るところまでしか体力がもたないのですよね。まぁ、家族が全部食べてしまうので無駄にはならないのですけど、起きた時のこのなんともいえない空しさは、ちょっとこたえます。

これで気晴らしのひとつもあれば良いのですが、生憎今は一番の楽しみもお預け中なのです。いえ、むしろお預けで済めば良いのですが、どうなりますやら。というのは、レコードプレーヤが再び故障してしまいまして。

回転数不良に注油で対処したのは先週の事。とりあえず一週間はそれで凌げていたのですけど、そう甘くはありませんでしたね、症状が再発してしまったのです。これはもう、十中八九回路の方に何か問題があると見て間違いないでしょう。

2014-04-22
2014-04-22 posted by (C)circias

上の写真は、とりあえず分解してみたMU-61の制御回路です。蓋を開けたのは日曜日の午後の事。パッと見で分かる異常は無いので、各所の電圧を測ってみたりもしたのですが、即座に分かるような異常は見当たらず。そもそも症状が緩やかで散発的なので、こういう形でのチェックも難しいのですよね。

この回路で痛むところがあるとしたら、ケミコンくらいのものでしょうか。いちいちチェックするのも面倒くさいので、もういっそ消耗品であるケミコンは全交換してしまっても良いかもしれません・・・というところまでは辿り着いたのですけど、日曜日は体力が持たずに、そこまででダウン。

で、昨晩はご覧の有様なものですから、まだ全然作業が進んでいません。何をするにしても、まず起きていられるだけの体力が無い事には話になりませんしね。回転数を長時間維持出来ないのは、持ち主も同じであるようで。

それにしても、レコードを聴けないとこんなに張り合いが無いものとは思ってもみませんでした。たった15分でも好きな音楽を聴くというのが、精神的に結構大きかったのだなと、今更ながら実感させられます。習慣になっているからというのもあるのでしょうけど、なんとも張り合いが無くて、ボンヤリしてしまうのですよね。

連休が来る前に交換する部品は揃えておいて、連休中に一気に作業してしまいたいところなのですけれど、このペースだとどうなりますやら。前途多難です。


回転数不安定

いやはや、昨日は参りました。一昨日を充実させ過ぎた反動か、本当に全くと言って良いほど何も出来ない一日になってしまいまして。以前なら休日を三日続けて有意義に・・・なんてことも出来たのですけど、どうにも年始に寝込んで以来体力がなくていけません。

昼過ぎまで眠っていただけでは飽き足らず、午後も結局うとうと。それなのに晩は9時前に寝落ちて4時前に目が覚めて、自分が日曜をまるまる寝て過ごしたのだということに気付いた時には、さすがにちょっと呆然としましたね。まぁ、休めるだけ休んでおくというのも正しい休日の使い方ではあるのですが。

そんな昨日の唯一の有意義な活動はといえば、レコードプレーヤーのメンテナンスを行ったこと。実は昨日レコードを聴いていたら、突然音が「ぐにょーん」とたるみ出しまして。回転数チェックの縞模様を見て居ると、速くなったり遅くなったりしているのが分かります。

回転数が不安定になったらもう寿命、なんて話を聞く事もありますが、果たして本当にそうでしょうか。どうも、回転数不安定イコール回路の故障と決めつけてしまう人もいるようですけれど、実はそんな事は無いのですよね。では何が原因かといいますと、まず疑わしいのは油切れなのです。

MU-61 モーター注油口
MU-61 モーター注油口 posted by (C)circias

80年代のダイレクトドライブ式テーブルの場合、モーターを整備出来ないものの方が多いようですが、70年代初期のベルト式はそうではありません。上の写真は、MU-61のモーター注油口。テーブルのゴムマットを外してやると見る事が出来ます。モーターの軸の根元に見える銀色の溝に、シリコンオイルを5、6滴垂らしてやったところ、症状が改善しました。

MU-61はDCモータの回転速度をホール素子で監視して、電圧の上げ下げで速度を調整しているようです。その制御回路はモーター側ではなく回路ボックスの方に入っていて、モータそのものは至って単純。これに劣化する要因があるとするなら、専らメカニカルな要素でしょう。

MU-61のようなベルトドライブ式のプレーヤの回転が不安定になった場合は、テーブル軸とモータの注油をまず試してみるのが良いと思います。まぁ最近の安物プレーヤはメンテナンスするようには作られていないかもしれないので、あくまで70年代の品物に限り、ですが。

なまじハイテクなものは長生き出来ないのに対して、こういう古くてある意味原始的なシステムは、修理する事でいつまででも使い続けられるというのが、なんとも。短期的な性能ではハイテク製品の足元にも及びますまいが、しかし道具としての正しい姿はどちらだろうと考えると、私はこちらがそうであるような気がしてなりません。

アナログとかメカニカルとか。デジタルでバーチャルな世代には侮られがちですけれど、そう馬鹿にしたものではありませんよね。私はデジタルな技術者ですけれど、だからこそ、こういう確固とした実体のあるモノが大好きなのです。


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