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日々の便り

 

カソード周辺異常なし

いやはや、昨晩は参りました。本当は少し早寝するつもりだったのですけど、真空管のスパーク&発光現象の御陰で、あちこち問い合わせを書いていたら、結局半徹夜。というのも、ただ「壊れました」では先方も埒があきませんので、色々と検証した上でないと問い合わせも書けないからです。御陰で今日の午前中は半ばゾンビ状態でした。

VintageSoundさんからの返信はまだありません。あるいは、Amazon経由である分時間がかかってしまっているのかも知れませんね。明日返事が無いようなら、直接問い合わせてみましょう。

一方、イーケイジャパンさんからは早速解答がありました。何を問い合わせたのかと言いますと、出力管に今回のような故障を引き起こす、回路側の要因はないかどうか、ということです。なにしろ短期間に二回とも左チャンネル出力管の絶縁不良が発生した訳で、偶然にしてはちょっと繰り返し過ぎなのではないかと思ったからです。回答の内容は、要約すると以下の通りでした。

1)発振
発振は、様々な故障の元になります。但し、今回は発振のチェックで異常が確認されなかったため、このケースは無いものと思われます。

2)コントロールグリッドの半田不良による不安定化
グリッドの半田不良は真空管の動作を不安定にし、制御不能に陥った管に過電流が流れる場合もあります。しかし、この場合故障原因は過電流なので、発生した場合はプレートが赤熱します。また、カソード抵抗やパスコンの破損、焼損を伴います。青色の発光やスパークは過電流では発生しないため、このケースはないものと思われます。

3)過大入力によるOPTフライバック電圧が引き起こす過電圧
あまりにも過大な振幅が長時間入力されると、OPTのフライバック電圧が発生して出力管の耐圧を超える事もあります。但し、今回は無入力時の故障であるためこのケースは該当しません。また、この場合はスピーカーが壊れる程の大音量のノイズを伴いますが、当然ノイズはありませんでした。

というわけで、100%真空管がクロということでした。そもそも、青色発光や青白いスパークが発生するのは、真空管に耐圧以上の電圧が印加された場合か、真空管が正常なB電圧に耐えられない不良品である場合のみ、とのこと。調べたところKT88のプレート耐圧は最大800Vだそうですから、電源の出力の二倍以上の耐圧をもっている事になります。

そもそもB電源がそんなに高圧になったら、KT88と直列になっている12AX7のプレートが先に壊れる筈で、12AX7が無事である時点で電圧異常はないと考えて良さそうですね。・・・ということは、です。やっぱり私は、またしても初期不良を引き当ててしまったという事で。家族に話したら、その運の悪さ加減を感心されてしまいました。

しかし、あれだけ派手にスパークした後ですから、回路の方にダメージが出ていないとも限りません。というわけで、ちょっとアンプを分解して、左のカソード周りの確認を。

左chカソード周辺
左chカソード周辺 posted by (C)circias

奇麗なものですね。これといってダメージらしいダメージも見当たりません。念のために真空管ソケットを掃除して、かしめを締め直してから試運転していますが、やはり動作には特に問題無いようです。というわけで、ますます真空管初期不良説が有力になってきました。一応VintageSoundさんからの返答を待って、それから返品か交換を申請してみるとしましょう。


スパーク!

それは偶然か、あるいは必然か。TU-877の左チャンネルが、再び故障しました。しかも原因はまたしても真空管。今回はかなり派手に壊れてくれました。

部屋に戻ってアンプに灯を入れ、その場を離れて椅子に座った途端、「ボッ!」と大音量のノイズが。まさかと思って振り返ったところ、再び「ボッ!」というスパーク音とともに、左のKT-88から青白い閃光が走ったではありませんか。思わず駆け寄ってみると、なんと左の真空管が青白く光を放ち始めています。って、いやいやいやいやいや。これは洒落になってませんよ。

当然即座にスイッチオフ、真空管に触れてみますが、まだ電源入れたてなので熱くはありません。しかし、さすがにちょっと、あれだけ派手に発光した球を再テストする度胸はありませんので、真空管を例の中国球に入れ替えてみたところ、全く問題なく音が鳴ります。どうやらアンプの回路の方は無事のようですね。

しかし、こう立て続けに左ばかり壊れるというのは、ちょっと偶然にしては出来過ぎですよね。念のためVintage Soundさんに問い合わせを入れると同時に、イーケイジャパンさんにも相談してみようと思います。それにしても参りましたねぇ、まさか使い始めて三日で真空管が逝ってしまうとは。

またペア球を買うのもなんだかアレですし、左は生き残りのGOLD LIONでも使いましょうかねぇ。とほほ。

KT88EHを試す

TU-877の真空管が片チャンネル故障してしまったのは昨年末の事。以来、キット付属の中国製真空管をつけての仮運用でしたが、フラックス汚れの処理と動作チェックも完了しましたので、いよいよ新しい真空管を試してみる事にしました。今回購入したのは、Electro HarmonixのKT-88です。

2014-01-06
2014-01-06 posted by (C)circias

販売元はヤフオクやAmazonでお馴染みのVintage Soundさん。安く買おうと思えばもっと安いものはあるのですけれど、ちゃんと測定値を表示してくれていて、しかもエージング済みの真空管となるとなかなかありません。ちょっぴり高めにはなりますが、あえてリスクをとって安いものを買う意味がある程の価格差ではありませんので、真空管は大抵Vintage Soundさん経由で購入しています。

まずは真空管の足にCAIGを塗布。これは酸化防止の意味もありますが、どちらかといえばむしろソケットに抜き差しするときの抵抗を少なくするためです。このキットはソケットが基盤直付けなので、真空管の抜き差しの力で基盤やハンダが痛んでしまうのが難点でして。

CAIGを塗っておくと酸化防止効果と同時に潤滑効果もあるため、抜き差しであまり力をかけずに済むのです。ソケット側もクリーニングを施し、保護剤を塗布したら準備完了。真空管をセットして電源を入れてみました。

2014-01-06
2014-01-06 posted by (C)circias

GOLD LIONのものと比べると素っ気ない見た目ですが、音の方はどうでしょう。まずは、ハイレゾ音源を試します。試聴してみたのは、エディ・ヒギンス・トリオの"Bewitched"と"Dear Old Stockholm"。どちらのアルバムも、まるでTU-870で聴いた時のように高音が伸びていて、今までよりずっと透明感のある音になっています。フラックス除去で少し透明感が出たような気がしていましたが、真空管の交換による変化はその比でないようですね。

次に、Art Blakey and Jazz Messengersの"Free For All"ですが、GOLD LION+中華球の仮運用では素っ気なかったところで密度感が失われず、とても迫力のある演奏に戻りました。このアルバムは故障前に散々聴きまくっていたのでその印象がまだ残っているのですが、あの頃の音と比べても遜色無いように感じます。

次に試したのは"Like Someone in Love"。このアルバムを選んだ理由は、高音の伸びを確認するためです。故障前のTU-877では、高音の強いNT-500Mで再生した場合は気持ち良く聴けたのですが、現在使用しているSHURE M97Xeでは素っ気なくてあまり良くなかったのですよね。もしこれで気持ち良く聞ける音になっていた場合、高音の伸びが確かに改善していると言えるのではないか、と思った訳です。

結果は、期待通り。さすがにNT-500Mを使った場合程には高音が伸びませんが、主旋律の抑揚がよく伝わってきて、なかなか心地良く聴けました。ハイレゾ音源との相性が良い事や、"Like Someone in Love"の聞こえ方から察するに、どうやらKT88EHはGOLD LIONと比べるとやや高域寄りの固い音になるようですね。とはいってもKT-88ですから、しっかりと中身の詰まったパワフルな音である事に変わりはありません。

GOLD LIONの音も好きでしたけれど、どうやら私にはElectro Harmonixの音の方が合うようです。お値段半分でこの音が手に入るなら、いっそ最初からKT-88EHにしておけば良かったですねぇ。まぁこういうものは、回路そのものとの相性もありますから、実際に使ってみないと何が合うかなんて分からないのが難しいところであり、面白いところでもあるのですけど。

まったく、アナログの世界は奥が深くて飽きませんね。


フラックス掃除

いやはや寒いですね。今日は東京でも少しばかり粉雪が舞ったようです。ニュースでは初雪なんて言っていませんでしたから、あるいはこのあたりだけのことなのかも知れませんが。雨こそ降ってはいませんでしたが、空は朝からどんより。冬独特の白っぽい景色を眺めるだけで、なんだか寒くなってきます。こんな日は、やっぱりインドア作業に限りますよね。

というわけで、今日はかねてから準備していた、TU-877のメンテナンスを行う事にしました。メンテナンスと言っても、大した事をする訳ではありません。やるのは、フラックス残滓で真っ黒に汚れた回路表面の清掃です。フラックスには多少導電性があるようですから、端子間がフラックス酸化物で真っ黒に汚れていたりするのは良い事ではありません。聞くところによると、普通に性能低下や故障の原因にもなるそうです。というわけで、先日通販で取り寄せたのがこちら。

2014-01-05
2014-01-05 posted by (C)circias

まずは右のフラックスクリーナーでフラックス残滓を取り除き、その上で、パターン表面の保護皮膜が痛んでいるようなら、左のソルダーレジストで修復しようという訳です。修復剤は必要かどうか分からなかったのですが、とりあえず、念のため。道具を準備したらまずは分解して、回路の状態を確認します。

2014-01-05
2014-01-05 posted by (C)circias

やはり、かなり酷いですね。このアンプは中古の組み立て済みキットで、購入時に半田不良を起こしていたので、一度半田にコテを当て直しているのですが、そのとき周囲に附着していたフラックスを焦がしてしまったのです。ショートは起こしていませんが、これはいかにも端子間で容量になって悪さをしていそうな感じですね。

一番酷いのはソケット周りですが、これ以外にも何カ所かこういったフラックスの焦げがべったりと残っている場所があるので、全てこの機会に清掃しておく事にしました。

手順は簡単、フラックスクリーナーを塗り付けて、少し待ってから綿棒でごしごしと擦り落とすのです。フラックスクリーナーのキャップには刷毛がついているので、クリーナーを塗り付けるついでに汚れを毛先でつつくのも効率的な方法。しつこい汚れにはこれを複数回繰り返し、端子間にフラックスが残っていないようにします。

出来上がりは、次の写真の通り。フラックス残滓が被っている辺りは皮膜も痛んでいるかと思いましたが、幸いにも皮膜は無事でした。再はんだをする時に、ワット数の大きなコテでじゅわっとやってしまったため、焦げたフラックスの下の皮膜も痛んでいるものとばかり思っていましたが、焦げたのはフラックスだけだったようですね。

2014-01-05
2014-01-05 posted by (C)circias

しかし、ということは、です。それだけ多くのフラックスがもともと回路には附着していたわけで・・・あるいは、購入直後に対策した超高域の発振も、フラックス残滓の影響で回路が不安定化していたため、という可能性もありそうですね。

全体的にフラックス残滓を取り除き、組み直して先程から試運転をしているのですが、こころなしか音が少し整理されて鋭くなったような気がします。なんだか、Bud Powell Trioのベースの音が妙に引き締まって感じますし、Art BlakeyのFree For Allは少しあっさりしてしまったような(笑

今はEric ClaptonのUnpluggedを聴いているのですが、やっぱり冒頭のスタジアムの歓声の透明感が、TU-870のそれに近くなったような気がします。あくまで気がする程度ですが・・・この部分は、以前のTU-877だともっともっさりしていて、ちょっとがっかりした記憶があるので、間違いないと思います。それともうひとつ、なぜかゲインが上がりました。なんだかあちこちで、フラックス残滓による変なフィルタやフィードバックが形成されていたようですよ。

慣れ親しんだTU-877の音ではなくなってしまったので、それで音が良くなったのかと言われると、ちょっと返答に窮するところではありますけれど、フラックス残滓がアンプの性能に影響するのは間違いないようです。中古の組み立て済みキットを購入した場合はもちろん、自分で何かを組んだ時にも、念のためにフラックス掃除をしておいた方が良さそうですね。


結局、真空管でした。

今日はつい昼まで寝過ごしてしまいました。というのも朝方の寒さがあまりにもキツかったもので、思わず布団に潜り直したらそのまま二度寝になってしまいまして。しまったと思ったらもう昼、というパターンです。実は近場で大きなフリマがあるというので、午前中はそちらに回ろうと思っていたのですけど、残念です。夕方には歯医者の予約が入っているので、起きたのが昼ではもう出掛けるのは無理ですね。

その代わりと言ってはなんですが、TU-877の不具合の原因究明はしっかりと。昨日組み直したら現象が発生しなくなっていたのですが、今日になったらまた発生しまして・・・しかし、今日は何故かノイズが右のスピーカーから出るのです。そう、昨日は検証のために真空管を入れ替えて、そのままにしていましたっけ。

電源を切り、真空管を入れ替えて再び待つことしばし。充分に機体が暖まったところで、入力スイッチを切り替えます。すると・・・今度は左のスピーカーからノイズが。つまり、結局壊れていたのは左の出力管であった、ということのようです。その真空管というのがこちら。

故障原因
故障原因 posted by (C)circias

見たところゲッターの減りも大きくないですし、焼けこげも無く奇麗なものです。むしろ無事な右の真空管の方が、ちょっとゲッターの減り方が気になるくらいなのですけれどね。でも、故障しているのはこちらの真空管で間違いありません。軽く振ったくらいでは異音もありませんが、この管に物理的な振動が加わると、現象が発生するらしいことが分かりました。

とりあえず応急処置として、アンプにはもともとついてきた中国製のKT-88をセットしておきます。こういういい加減なことができるのは、自己バイアスのシングルならではですね。プッシュプルではこういう訳にはいきません。

応急処置
応急処置 posted by (C)circias

真空管交換後、試しにずっとランニングを続けているのですが、特に問題ないようです。入力を切り替えてもノイズは起きませんし、無入力時にモーターボーティングが発生することもありません。どうやら犯人はあの管で間違いないようです。

この真空管はちょうど二年前の冬のボーナスで買ったもので、ちょっと贅沢にGold Lionをチョイスしたのですけど・・・折角の高級管だというのに二年で故障では困ったものですね。私の引きの悪さは相変わらずといったところでしょうか。次は無難にエレクトロハーモニクスかソブテックあたりにしておくとしましょう。中国管は嫌なので。

中華真空管は確かに安いし、データシート上の特性も申し分ないのですけど、実際聴いてみると全然違うのです。片チャンネルだけならそんなに違いは感じないのですが、両方替えるとやっぱり何か違うなぁという感じになります。なんだか音が荒っぽくて疲れるのですよね。歪んでいるんでしょうか。

というわけで、結局今回はEH社のKT88のマッチドペアを注文することにしました。まぁシングルなのでマッチドペアは必須ではないのですけど、できればプリアンプでバランス調整とかしたくありませんので。Gold Lionを一本だけ買うというのも手なのですけど、なんだかまた壊れそうですしね。高いもので外れを引くのはご容赦願いたいところ。既に一回やらかしてますしね。

なにしろお値段二倍ですよ? 同じ米国企業のライセンスものの筈なのに、何がそんなに違うのか・・・は、実際使ってみれば分かるでしょう。そうそう、同じGoldでも中華製のGolden Dragonっていうのがありましたね(笑)あれはイギリスの会社の設計のKT88らしいのですけど、なんとGold Lion並みに高かったりするから呆れます。中華管にそんなに出したくないですねぇ、私は。
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