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日々の便り

 

タシギ発見

東京は、朝から物凄い風でした。どのくらい凄かったかと言いますと、自転車が将棋倒しになったり、看板が飛んだり、風が吹いている最中は前へ進む事ができなかったりしたほどです。私は昼頃から野川に出掛けていたのですが、実際、カメラを構えたままで何度も吹き倒されそうになりました。

ただでさえAFがまともに働かない事の多い300mmを使っているのに、それに加えてこの風では、ピントを合わせる事さえ容易ではありません。AFを使おうにも風で体がcm単位で動いてしまうため、ファインダーの中の景色はm単位で動いてしまうからです。今日は主にキセキレイを狙っていたのですが、ただでさえ動きを止めないキセキレイを狙うのに、さながらなびくススキのごとく体を揺らしていたため、成果はサッパリでした。

しかし、その代わりと言ってはなんですが、今日は思わぬ成果がありました。まだ見た事のない鳥を、間近で撮影する事ができたのです。その鳥というのが、こちら。

タシギ
タシギ posted by (C)circias

キセキレイを撮影していたところ、通りすがりのおばさんに話し掛けられたのですが、御陰でこの鳥の存在に気付く事ができました。長い嘴に、鳩サブレ型のボディ。そしてやや長い、水かきのない足。体の特徴からしてシギの仲間であろうとは思いましたが、この時点ではこれが何なのか、全く分かりませんでした。家に帰ってから調べてみたところ、これはどうやらタシギのようですね。

タシギ
タシギ posted by (C)circias

タシギは渡り鳥で、かつては本州中部以南で越冬していた種です。春と秋の渡りの時期には多摩川で見る事の出来る鳥なのだそうですが、まさかこの真冬に野川で見掛ける事になるとは思いませんでした。この時期にここに居るという事は、この個体は野川で越冬しているという事なのでしょう。まぁこの辺りは比較的暖かく、川が凍る事もありませんから、越冬には適しているのかも知れませんね。

タシギ
タシギ posted by (C)circias

タシギは薮越しに見下ろす位置で、餌取りをしていました。いつからそこに居たのかは分かりませんが、少なくとも自分から人間に近付いて行くタイプの鳥ではありませんので、私が来る前からここに居たのでしょう。しかし、二枚目の写真をご覧頂けば分かる通り、向こうはしっかりこちらに気付いています。餌探しの合間に、何度もこちらを見て警戒していました。

タシギ
タシギ posted by (C)circias

上の写真は、飛び立つ直前のタシギ。しばらくはそのまま餌探しを続けていたタシギですが、不意にこうしてお尻を突き上げたかと思うと、向きを変えて飛び去ってしまったのです。次に降りた位置は割と近くの筈だったのですけれど、追ってみても全く見付ける事ができません。その後も結構探したのですが、結局タシギを見る事ができたのは、これが最初で最後でした。

写真にするとそうは感じませんが、この色と模様は迷彩のような効果があるので、肉眼で探すのは難しいのですよね。とはいえ、基本的に水辺に居る鳥ですし、ここでこうして見る事が出来たのですから、いずれまた会う事もあるでしょう。できれば今日のような強風の日ではなく、もう少しちゃんとカメラを構える事が出来る日に、もう一度会いたいものですね。

THE GOLDBERG VARIATIONS

今日の東京は、久々の雪。途中から雨になったのでさほど積もりはしませんでしたが、それでも幾らか残った雪が空気を冷やすので、今晩はいつになく冷え込んでいます。まぁこのところの暖かさが異常だった訳ですから、この寒さはむしろこの季節らしいと言えるでしょう。

ところで、雪が降る度に思うのですが、雪が降った日の晩の空気感というのは、なにやら独特なものですね。不思議と静かに感じますし、しかもその静けさには少なからず厳かな感じが伴う気がするのです。こんな晩には、なんだか無性に高尚な事をしたくなるもの。例えばそうですね、こんな晩に聴くのなら、ジャズやロックではなくてクラシックに限るでしょう。

というわけで今晩は久々にモノラル針(AT-MONO3/LP)に付け替えて、このレコードを聴いています。

Bach: Goldberg Variations, Bwv 988 (1955)
タイトル  :THE GOLDBERG VARIATIONS
アーティスト:GLENN GOULD

言わずと知れたバッハのゴールドベルク。クラシック好きでこれを知らない人は居ないでしょうけれど、それ以外の方のためにざっくり説明してしまいますと、要はベース1曲+アレンジ30曲からなる小曲集、といったところ。「アリア」と呼ばれるベースとなる曲が最初と最後にある外は、全てそのアリアのアレンジなのです。

但し、アレンジと言ってもPOPSのアレンジとは次元が違います。クラシック慣れしている人なら原曲の特徴を簡単に聞き分けられると思いますが、そうでないとほとんど違う曲にしか聞こえないでしょう。それくらい個々に個性のあるアレンジが、たった一曲のテーマから生まれてしまうのですから、バッハの天才ぶりが良く分かりますね。

演奏には高度な技術が要求されるからでしょうか、現在は多くのピアニストが挑む、一種の課題曲になっています。とはいっても、グールドがこれを録音した頃はそうでもなかったようで、デビューアルバムにこのゴールドベルクを選択した若き日のグールドは、レコード会社から反対を受けたのだとか。しかし、結果的にこのアルバムは大ヒットし、ゴールドベルクとグールドを世に知らしめる結果になったのだそうです。

グールドの演奏はとても力強く、速いのが特徴。決して乱れてはおらず、むしろ整っているのですが、厚みのある強い音が端正さを感じさせません。ゴールドベルクのアルバムはCDを何枚か持っていたのですが、こんなにも力強いゴールドベルクは初めてです。実をいうと最初はBGMにしようと思ってかけたのですが、これはBGMには不向きですね。

最初のアリアはそれほどでもないのですが・・・いえ、実をいうとそもそも一音目からこう、「しっかり感」が出てはいるのですけれど、その力強さを最初に印象付けられるのは第一変奏でしょう。この曲は低音部も高音部も細かく動き回るアレンジなのですが、滑らかに動きつつも音が弱くならないのですね。変に力を入れると音の連結が乱れるのですが、これは断じてそういう音ではありません。自然に、滑らかに、しかし強いのです。

起伏に富み、表情豊かで、しかもフォルテの迫力が凄いと来れば、否応無しに注意を惹き付けられてしまいます。時折入るフォルティシモなど、来るぞと思っていないとびくりと肩を振るわすほどで。この溢れるエネルギー感こそが、若さという奴なのでしょうか。

大人しくお行儀の良い感じの堅苦しいゴールドベルクとは一線を画す、エネルギッシュなゴールドベルク。ゴールドベルクは退屈で眠くなるという方にもお勧め出来る、刺激的なアルバムだと思います。


SLEEPWALK

ふと気がついたのですが、そういえばこのところ音楽の話を書いていませんね。ログを調べてみたら、なんと去年の7月頃を最後に、レコードの話題が途切れていました。とはいってもレコードを聴かなくなったわけではありません。それどころか、最近はもうレコード以外は全く聞かないほどで。iPhone用に購入した高いイヤホンが、完全に宝の持ち腐れになってしまっています。

聞くジャンルは相変わらずジャズが多いのですが、ここ一週間くらいは再び集中的にフュージョンを聴いています。なんだか、急にラリー・カールトンが聴きたくなってしまいまして。というわけで今晩は、このアルバムをご紹介したいと思います。

Sleepwalk
タイトル  :SLEEPWALK
アーティスト:ラリー・カールトン

一曲目の「LAST NITE」は、繰り返されるベースのフレーズが印象的な作品。いかにも夜、それも都市の深夜をイメージさせられるような雰囲気ですね。確かこれは、この曲を表題曲とした「LAST NITE」というアルバムがあった筈。あちらで聴いた時も、似たような感想を抱いたように記憶しています。比較してみると、あちらはスモーキーな感じだったのに対して、こちらのアレンジはより都会的でポップになっている気がしました。

二曲目のBLUES BIRDは、名前の通りやや気怠いブルース風味の主旋律が耳に残る一曲。とはいっても曲そのものの雰囲気はむしろ壮大で、イントロから序盤に掛けての雰囲気は、夕陽と地平線の組み合わせが似合いそうです。そこからの展開が少し静かなので、丁度宵の星が輝き始める頃の西の空が似合いそうだと思いました。逆に、明け方のイメージでも良いかも知れませんね。つまりそういう時間帯の、青とオレンジのイメージなのです。

三曲目、SONG FOR KATIEはタイトルから想像される通り、健やかで暖かい曲です。最初は室内っぽい感じがするのですが、そこから明るく爽やかに変化し、最後はなんだかビーチの似合いそうな雰囲気に。色に喩えるなら「青と白」という感じで、良くあるリゾートのイメージが浮かんできました。

A面最後のFRENCHMAN'S FLATは、移動感のあるノリの良い曲です。前の曲の記憶も手伝って、まず浮かんで来たのは帆走のイメージでした。疾走感があると言うよりは、そこそこ速い一定速度でずんずん進んで行く感じがするので、陸上の移動というイメージではないのですよね。あるいは、海外ならハイウェイはこんな感じなのかも知れませんが。

B面一曲目は、表題曲の「SLEEPWALK」。これは夢遊病の事と思いますが、なるほど夢の中をふらついているかのような、ふわふわとした雰囲気の曲です。一口に夢と言っても色々ありますが、この夢はだいぶ健やかで穏やかなもののようですね。終盤は、すやすやと寝息を立てる子供の映像と良く合いそうな、少し可愛らしい雰囲気が少し混じります。聴いていると、肩の力が抜けてリラックス出来るような素敵な曲でした。

UPPER KERNは転じてやや都市的で活動的な雰囲気の曲です。後半にかけて雰囲気が華やいで行くのですが、全体的には光量抑えめで、どちらかというと夜景の方が似合いそうな曲ですね。華やぐ部分は、都市の灯りの中に入って行くようなイメージでした。映像に喩えるならば、さしずめ都市を縫う高速道路から見る夜景といったところでしょうか。

10:00 PMは、タイトル通り夜のイメージ。喩えるなら、ビル街を高めの位置から見下ろしているかのような。少しミステリアスで奥を見通せない深い暗闇と、そこに瞬く幾つかの灯りというような、都市の持つ静の側面を思い浮かべさせられる雰囲気の曲です。

最後の曲はYOU GOTTA GET IT WHILE YOU CAN。訳すと「やれるうちにやっておけ」。もっと意訳すると、「今だ!」という感じでしょうか。実に活動的でかっこいい雰囲気の曲で、例えばスポーツの試合のハイライト集や、カーレースの予選結果発表のBGMに良さそうです。B面はどちらかというと明るさ抑えめの曲で揃えてきていましたから、一転してエネルギッシュなこの曲は、特に印象に残りますね。

ラリー・カールトンのアルバムは何かと歌ものがつきものですが、このアルバムは珍しく歌無しでした。一番のお気に入りは最後の「You gotta get it while you can」。これはかっこいいし楽しいし、聴いていると元気になれるところが良いと思います。次に好きなのは、「Blues Bird」。あの、宵の空の青とオレンジのグラデーションをイメージさせる、ちょっと壮大な感じがとても印象的でした。

どの曲もメロディがポップで聴き易く、また雰囲気も良いものばかり。しかもラリー・カールトンならではの、あの微妙にヘタウマな感じのボーカルも入りませんので、そういうのが苦手な方でも安心して聴く事ができるでしょう。ラリー・カールトン入門用にもお勧め出来るアルバムだと思います。

高尾山珈琲探訪

今日の東京は、妙に生暖かい空気の漂う一日になりました。春のような、そうでもないような。現在室温は15度ですが、暖房は使用していません。空調無しでこの室温を維持出来るという事は、恐らくまだ外気も10度以上あるのではないかと思います。二月頃ならばともかく、一月のうちにこんなに暖かくなるのは珍しいのではないでしょうか。この分ですと、高尾山のぬかるみっぷりはより一層酷い事になりそうですね。

ところで高尾山と言えば、今月は高尾山〜景信山に至るまで、各山頂の茶店に入る機会がありました。秋頃には高尾山以外は皆閉っていたのですが、どういうわけか今月はどこも営業しているのですよね。そこで、ちょっと興味本位で、店ごとの珈琲の違いを調べてみましたので、今日はそのお話をしたいと思います。そもそもきっかけは、正月に景信山まで縦走した時の事でした。景信山の茶店が開いていたので、珈琲を頼んでみたのです。

次の写真は、景信山の茶屋で出された珈琲。紙コップはちょっと貧相に見えますが、ああいった環境ではむしろこの方が衛生的で安心です。珈琲はスーパーマーケットなどでよく見掛けるワンカップドリップで、味もまぁそれなりという感じ。見た目以上に量があり、私には充分でした。景信山は特に眺めが良いので、あの景色の中で飲むと、ワンカップドリップでも何だかちょっぴり贅沢な気分になります。

景信山の珈琲
景信山の珈琲 posted by (C)circias

この日私は、景信山からの帰り道に、小仏城山の茶店にも立ち寄りました。景信山で珈琲を飲んだので、もし店が開いていたら、城山の珈琲と比べてみたくなったのです。果たして店は開いており、珈琲を注文する事ができました。次の写真は、小仏城山の珈琲。ここは、ちゃんとペーパードリップしています。ドリップしただけあって、香りの方はとても香ばしいのですけれど、お味はやや薄目のアメリカンでした。

小仏城山の珈琲
小仏城山の珈琲 posted by (C)circias

最後は、もみじ台の茶店。いつも私がお蕎麦を食べに行く、細田屋さんの珈琲です。次の写真が、その珈琲。さすがに連続三杯はきつかったので、正月に訪れた際は一旦パスし、一昨日訪れた際に注文してみました。ここはお値段が少し高いのですけれど、その分味も香りも豊かで、とても美味しい珈琲でした。

もみじ台の珈琲
もみじ台の珈琲 posted by (C)circias

泡立ち具合からしてここもワンカップドリップだろうと思いますが、きっと質の良いものを使っているのでしょう。まったりとした舌触りで苦みは柔らかく、チョコのような甘味と珈琲ならではのハッキリとした酸味を感じます。酸味は後味までしっかり残るので、どちらかといえば明るめの爽やかな味と言えるかもしれません。味の複雑さと豊かさは、ちょっと良い豆を自宅でペーパードリップしたときのような感じでした。

何より高評価したいのは、食器が清潔であるということ。その点、城山の珈琲は何といいますか、とてもワイルドな(笑)。ステインで黒ずんだカップを使うくらいなら、いっそ景信山の茶屋のように、割り切って紙コップにした方がイメージが良いのではないかと思うのですけれどね。まぁ、紙コップもゴミの問題があるので善し悪しなのですが。

それにしても、細田屋さんは何を注文しても美味しいですね。高尾山山頂の茶店を含め、高尾山〜景信山の範囲内で一番お勧め出来るのは、間違いなくここだと思います。



縦走路の修復工事

昨日の奥高尾は酷い泥濘で、人が通る度に道が削られるため、所によっては深い溝が穿たれたような有様でした。なにしろ歩く人の数が多いので、山道の損耗が激しいのです。しかもスパイクやストックを使う登山客がザクザクと固い土までも耕してしまうため、溝はどんどん深くなるのですね。もしもあれをそのまま放置してしまったら、ほどなく登山道は使い物にならなくなってしまうでしょう。

しかしそうならないのは何故かと言いますと、それを修復する人達が居るからです。高尾山は八王子市の持ち物なので、自治体が雇っているのでしょうか、昨日は痛んだ登山道を修復する作業を見る事ができましたので、それをご紹介したいと思います。

まずは、もみじ台。次の写真は、ぬかるみにむしろを敷いて応急処置を施してある部分です。こうすると登山客が歩き易くなるだけでなく、地面を穿たれることもなくなるのですね。しかし、こうしてむしろが無事で居られるのは、通行量の少ない部分だけ。多くの人が通る場所や、とりわけぬかるみ具合の酷いところでは、むしろはズタズタになってしまって、原形をとどめていませんでした。

むしろで応急処置
むしろで応急処置 posted by (C)circias

そうしてすっかり掘り返されてしまった部分は、そこにあった土が運び去られてしまっているため、別の場所から土を持って来て埋めるしかありません。とはいえ、泥で埋めても逆効果ですので、そういう場所には砂利を使います。次の写真は、登山道脇に埋め戻し用の砂利の山を作る作業員の様子。まずはこうして資材を運び込み、充分に砂利を用意してから工事を開始するようです。

作業員と小型クローラー
作業員と小型クローラー posted by (C)circias

ちなみに上の写真の作業員が押しているのは、エンジンとキャタピラがついた、自走式の運搬車で、クローラーと呼ばれるもの。ここは一丁平と城山の間ですが、こういうこう配のきついところでは、クローラーを用いても砂利の運搬は大変です。どうやら砂利の集積所を幾つも作って、集積所から集積所へと砂利を運んでいるようでした。

さらに城山に近付くと、階段脇に土嚢が積まれている箇所が。どうやらここはえぐれているか、ぬかるみが酷過ぎて危険だったのでしょう。土嚢の上にクローラーの轍が出来ているので、重いクローラーを安全に通すための措置であろうと思われます

階段脇の土嚢
階段脇の土嚢 posted by (C)circias

そのまま道を進むと、ついで見えて来たのがこちら。砂利の集積所と、砂利の上には重機が停まっています。ここは城山の麓で、巻き道を抜けた場所。恐らくこれらの資材と機械は、日陰沢林道から巻き道経由でここまで運び込んだのだと思います。ここに来る道すがら見て来た土砂の集積所は、皆ここから運ばれた砂利を積み上げたものなのでしょうね。

土砂と重機
土砂と重機 posted by (C)circias

そして、ここに重機や砂利を運んで来たと思しき車両がこちら。こういった狭い場所で作業するための、小型運搬車です。これを見るのも初めてですね。後ろの荷台に取り付けられている板の状態からして、この車両が砂利を運搬して来た事はまず間違いないと思います。

小型運搬車
小型運搬車 posted by (C)circias

城山の巻き道を進んでみると、ところどころに砂利で埋めた箇所を見る事が出来ました。巻き道も結構ぬかるんでいましたので、まずはそこを直してから重機を運び込んだ訳ですね。次の写真は、その埋め戻し箇所の様子です。新しい砂利は周囲と明らかに色が違うので、分かり易いですね。

埋め戻し跡
埋め戻し跡 posted by (C)circias

最後は、小型運搬車の轍と思しき痕跡を。そういえば初めて景信山に登った時、あのあたりにもこんな轍がずっと続いていましたっけ。あの時は何のためにどんな車両が来たのかといぶかったものですが・・・これでハッキリしました。あれは、登山道の整備のために入って来た、クローラーや運搬車の轍だったに違いありません。比較的新しかったことからして、きっと秋頃に整備でもしたのでしょう。

運搬車の轍
運搬車の轍 posted by (C)circias

一見車両など入って来れそうにない場所ですが、常日頃こうして整備してくれてる御陰で、私達はハイキングを楽しめているという訳です。彼等の苦労を考えると、山道の歩き方にも少し気を使わなければならない気がしますね。少なくとも、無闇にストックやアイゼンで掘り返すような真似だけはするまいと思いました。それでなくとも、高尾山は登山客が多過ぎるのですから。


山頂の小鳥達

今日は久しぶりに、高尾山に登って来ました。今日の高尾山は比較的暖かく、山頂でも息が白くならない程度の気温。そのため道の状態は最悪で、一面のぬかるみになっている場所も沢山ありました。一月初めに見た「シモバシラ」も時期が過ぎてしまったようで、今日はひとつも見られません。でもその代わり、今日は意外な事に、高尾山山頂で野鳥の写真を撮る機会に恵まれました。

最初にみかけたのは、ヤマガラでした。山頂で景色を撮っていた時の事、どことなくシジュウカラと似た、見た事のない小鳥が側にやってきたのです。さすがに25mmでは写しても点にしかならないので、慌てて300mmに交換したのですが、時既に遅し。どこかへ飛び去ってしまったのですけど、しかし声はまだ聞こえて来ます。次の写真は、その声を長いこと追って、ようやく撮る事が出来た一枚です。

ヤマガラ
ヤマガラ posted by (C)circias

ヤマガラは人の側まで寄ってくる鳥なのですが、一方で、ほとんどじっとしている事がありません。しかも山頂には大勢の人が居ますから、当然彼等の動きに反応して逃げてしまいます。しかも今日の高尾山は午後から重い空でしたので、この一枚を撮るまでにかなり苦労してしまいました。シャッターチャンスは結構あったのですけれど、こう暗いと300mmの合焦がうまくいかなくなるので、残念ながらほとんど無駄にしてしまったのです。

さて、ヤマガラの声を追って山頂を歩き回っていたところ、山頂から見下ろす林の中で、別の声がする事に気がつきました。「ギョッ ギョッ」という、ちょっと聞くと虫かなにかのようなあまり可愛くない声です。声のする方へ近付いてみたところ、そこに居たのが次の写真の鳥。キツツキの仲間で、コゲラと言います。

コゲラ
コゲラ posted by (C)circias

しかし、最初にこの個体を見付けたとき、私にはこれが何なのか、さっぱりわかりませんでした。木をつついているのでキツツキなのは確かなのですが、こんなずんぐりむっくりとした可愛いキツツキは、見た事がなかったのです。コゲラは私の住む街でも見る事が出来るのですが、この街のコゲラはこんな風に膨れてはいませんので。これは恐らく、山頂の寒さのためなのでしょうね。

コゲラ
コゲラ posted by (C)circias

コゲラは可愛らしい仕草でちょこまかと木の幹の上を歩き回り、しきりにコツコツと木をつついていました。そして時折首を傾げたかと思うと、やおら樹皮の裏に嘴を突き入れるのです。恐らくこういう動きをする時は、何か獲物を見付けたときなのでしょうね。次の写真は、まさに樹皮の裏に嘴を突き入れている瞬間の映像です。

樹皮裏の虫を捕る
樹皮裏の虫を捕る posted by (C)circias

高尾山に登るのはこれで多分5回目くらいになるだろうと思いますが、山頂でコゲラやヤマガラを見たのは、今回が初めてです。天候の御陰か、あるいは時期なのか。もしかすると、実はこれまでも目に映ってはいたのに、単に注意していなかっただけということもあるかも知れません。気にしていないと、こういう小さい生き物は全く居ないかのように感じてしまうものですからね。

しかし注意を向けてみると、コゲラとヤマガラの外にも、少なくとも数種類の鳥の声がします。中には知っている声もちらほら。例えばヒヨドリですとか、ウグイスですとか。そういえば、アオジのような声もありましたけれど、あれは何だったのでしょう。これまでは専ら運動のためだけに山に登っていましたけれど、今度は一度、野鳥に注目しながら登ってみるのも楽しそうですね。できればこの冬のうちに、挑戦したいと思います。


会長の切り札

どうも昔からの悪い癖で、面白い本を見付けると読むのが止まらなくなってしまうのですよね。気がついたら徹夜だったりすることもあるので、そうならないよう自分に言い聞かせているのですけれど、没入するともう止まらないのです。もっとも、そこまで興味をそそられる本なんて滅多にありませんので、それで実生活に支障が出たことは、まだないのですけれど。

とはいえ、そういう本に出会えた時の嬉しさは何物にも代え難いものがあります。なんだかんだいって、幼い頃に「本の虫」などと呼ばれたこの性格は、いまだに変わっていないのだなぁと。そして今日は、久々にそんな本に出会ってしまいましたので、それをご紹介したいと思います。

○会長の切り札

会長の切り札  一芸クラブに勝機あり! (角川スニーカー文庫)
著者:鷹見 一幸
挿絵:KeG

人口減少に悩むとある地方都市で巻き起こる、高校の統廃合をめぐる熾烈な戦いのお話。この作者さんは一見硬派っぽいスペースオペラで有名な方ですが、初めて手掛けた学園ものということです。舞台は高校ですが、まず珍しいのは主人公が高校三年生だということ。しかも季節は秋で、卒業まではそれほど時間が残されていません。

学園ものといえば定番は二年、少し捻って一年がセオリーですよね。なぜそうなるかといいますと、要は学園内で無駄にキャッキャウフフとじゃれ合う時間を長くとる事ができるからです。三年になればもう卒業前提での生活になりますし、当然目前に迫った一大事として、大学受験があるわけで。大半の作品のテーマであるラブコメをやるには、三年はあまりにも不利なのですね。

と、ここまで書けばお分かり頂けると思いますが、この作品はラブコメでもハーレムでもありません。メインテーマに据えられているのは、一言で言ってしまえば「生き方」です。あるいは、人の在り方とでも言いましょうか。といっても知ったかぶりの哲学や精神論を振り回す訳ではなく、あくまで地に足の着いた現実的なお話。もちろんラノベレベルでなら、と但し書きをつけなければならないのですが。

お話は、主人公達の住む市の合併話から始まります。それぞれ歴史と拘りのある三つの市が、「平成の大合併」で統合される事になり、その手始めとして夫々の町にあった高校の統廃合が行われる事になりました。序盤はその合併についての会議の様子などが描かれるのですが、これがなんともリアルなのですね。無能で感情的で、そのくせ薄汚い事をすることと責任転嫁だけは大得意な老害の醜さが、結構生々しく描かれています。

ただ私情と私欲でわがままを言い合って、無意味な論争をだらだら続け、日当だけはかっぱらって行く委員達。そのあまりの醜態に業を煮やした官僚が主人公達を会議に招いたところで、話が大きく動き出します。このあたりの下りを見ていると、私が入社したての頃の会議を思い出してしまって、胃が痛くなるのですよね。どうしてこんなにも、無能な管理職の行動をよく分かっているのか不思議です。

この種の会議は要は責任のなすり合いと、なあなあに誤摩化すための時間稼ぎなのですね。誰も責任を取らなくて良いように、自分たちが不利にならない結論を、「仕方ない」で押し通せる時が来るのを待っている訳です。しかし、当然ながら主人公達はそれを良しとしません。憤慨したヒロインの喝に対し、委員達はお約束の返しを繰り出すのですが、ここで同じく業を煮やしていた官僚が動きます。

かくして「自分たちのことは自分たちで決める」権利を手に入れた主人公達は、どの高校を潰すかを巡って、高校同士の全校対決をする事になるのですが・・・。

表向きは、学校の存続をかけた学園対抗バトルもの。見所は、主人公の知謀知略といったところでしょうか。といっても、それはあくまで表向きのエンターテイメント要素であって、物語の本質ではないと感じました。なにしろ、知謀知略と言っても主人公達の使う手段は決して特別な物ではなく、あくまで取り得る選択肢でしかないからです。しかも、主人公自身が指摘している通り、運の要素もかなりからみますしね。

華やかな表向きのドタバタと並行して、登場する様々な人々の「生き方」が描かれます。自由だ権利だと借りて来た単語で武装して、足を引っ張るしか能のない人間。責任を取りたくないからと、責任転嫁と先送りしかしない人間。自分の感情が満たされないからといって、ごね続けるだけの人間。何も考えないくせに文句だけは人一倍言う人間、等々。

そういった、既視感があり過ぎて正視し難いリアルな俗物に対して対立軸として描かれるのが、主人公や、彼等と競う他校の生徒達であるという訳です。そう、この物語の面白いところは、ある意味他校の生徒達は敵ではないというところですね。もちろん勝負の上では敵ですが、思想的には彼等は主人公側なのです。むしろ主人公達に本当の意味で敵対していたのは、「自由な校風」故に学内に巣食う、将来の老害予備軍たちでした。

四巻構成のシリーズのうち、主人公達の学校の存続問題は二巻で解決してしまうのも、実に興味深いところです。凡百の作者ならばここで大団円なのですが、この作者さんは最初から、そんなちっぽけな視点では物語を描いていないのですね。これは素直にさすがだと思いました。

登場するキャラクター達は実にラノベ的で、同時に些か古風です。作者さんにとっては初の学園ものということで、古典的な例に倣ってみたのでしょうか。一部で指摘されている通り、確かにかなりベタなキャラ付けが見受けられ、人物のリアリティはあまりありません。とはいえ、ラノベにリアルな人間なんて出て来る方が珍しいのですから、それをとやかく言うのは筋違いでしょう。

それに、そういう漫画的なキャラクターだからこそ、あれほど清々しい振る舞いができるのです。対立軸として描かれる醜い人間達とぶつけるなら、そういうキャラ付けにしないとメリハリが足りません。物語の性質や展開を考えるなら、決して不適切なキャラ付けだとは言えないと思います。

文体はテンポ良く整っており、文字数多めにも関わらず、苦もなくスイスイ読めました。主人公の悪知恵自体は地味なものですが、それに対する相手も一筋縄では行かないので、つい続きを読みたくなるのも上手いですね。もちろん物語ですからご都合な展開は多いですし、そもそも物語そのものにリアリティはないのですけれど、それでいて、リアルぶったシリアスものなどよりもよほど現実的であるという、不思議な作品。

この作品を手に取ったのは本当に偶然で、単に電子書籍ストアのポイントを消化するためだったのですけれど、一巻を読み終えるや否や、思わず続刊も揃えて読破してしまいました。2008年の作品で、今はもう電子書籍でしか手に入らないようですけれど、もし見掛ける事があったら、是非一度読んでみる事をお勧めしたい作品です。

うみまち鉄道運行記

昨晩はうっかり寒い部屋で寝落ちをやらかしてしまいまして、御陰で今日は少し風邪気味です。一応1時間くらい寝たところで、あまりの寒さに目が覚めたのですが、時既に遅し。酷い腹痛に苛まれ、仕方なく熱いシャワーを浴び、部屋を暖めてから寝直したのですが、今度は寝坊して大ピンチに。しかし今朝は電車が定時運行だった御陰で、なんとか社バスに間に合う事ができました。

思い返してみると、年が明けてからこちら、ギリギリになるパターンが多過ぎますね。このところ早朝のダイヤがあまり乱れていないので助かっていますが、それだっていつまで続くかはあてになりません。時期によっては毎朝理由もなしに遅れてくることもあり、正直なところダイヤはあまりあてにならないのです。特に春頃は毎年酷いのですよね。

そういう恨みつらみが十数年分蓄積しているせいか、私は鉄道があまり好きではありません。更に言うと、実は鉄道ネタもあまり好きではないのですよ、なぜなら鉄道マニアって話が鬱陶しいので。これは軍事マニアもそうですね。好きな物について語りたくなるのは普通ですが、ものには限度というものがあります。彼等は文章の筋やテンポを乱してまで、本筋に絡まない蘊蓄を書いてしまう傾向が強いので、そこが鼻につくのですよ。

そんな訳で鉄道ネタ軍事ネタは忌避する傾向が強い私ですが、久しぶりに好きだと思える作品に出会いました。それがこちらの作品です。

○うみまち鉄道運行記 サンミア市のやさしい鉄道員たち
うみまち鉄道運行記 サンミア市のやさしい鉄道員たち (富士見L文庫)
著者:伊佐良紫築
表紙:戸部淑

表紙にかわいいイラストが掲げられているので、ラノベのような挿絵や口絵を期待される方もいらっしゃるかも知れませんが、作品中には一切イラストが登場しませんので悪しからず。まぁしかし、イラストレーターに戸部淑さんを起用されたのは大正解だと思いますね。仮に本文中にイラストがあったとしても、戸部先生の絵ならば作品を壊す事はないでしょうから。つまりは、そういう上品な雰囲気の作品であるということです。

舞台は、アメリカと良く似た社会構造および文化を持つ、架空の国。技術水準や文化水準は、第一次世界大戦後くらいでしょうか。主人公の少女二人はとある港湾都市に敷設された鉄道の運転士と車掌のコンビで、物語の大半の部分は鉄道の車両の上での出来事です。十代の少女がなんでそんな仕事をしているのか、という突っ込みはとりあえず措くとして、その内容をざっとご紹介しましょう。

第一話は「お芝居特急」。劇場行きの路線を担当する運転士のメグには、あるポリシーがありました。それは「お客さんを舞台の開演に遅刻させない事」。つまりは、多少無理してでもダイヤを守るということです。ところがある日、無賃乗車の少年が彼女達の電車に紛れ込んだ事で、大幅な遅延を余儀なくされます。それでも電車を遅らせたくないメグは、かつてその路線の名物だった特急の運転を再現することにしたのですが・・・。

このお話の良いところは、それそのものが完成された物語になっていると同時に、その後の物語への布石にもなっているというところですね。登場するあらゆるエピソードは全て伏線と考えて良いでしょう。といっても、別に謎掛けがあるわけではないので、肩に力を入れて読む必要はないのですが。

第二話は「復興型電車」。主人公のメグとシャーリー、そしてその親代わりのような存在であるマルコとの出会いのお話です。舞台はメグがまだ幼かった頃、舞台であるサンミア市が震災に襲われた直後の事。この物語でメグが鉄道に、もっと言うならばリトル・フェアリーに拘る理由が明かされます。

私がとりわけ気に入ったのは、話の冒頭に登場するボロ電車の「ロケットマン」。ちょい役の舞台装置とみせかけて、実はこの車両も運命的な存在であると同時に、この先の物語でも活躍するのですね。さりげなく登場させた脇役が地味に活躍してくれるのは、上手い物書きに共通する特徴でもあります。もっともそれに気付くのは以降のお話を読んでからなのですが、御陰でこの物語が一層好きになりました。

第三話は「御召し列車」。時間は短いですが、言ってしまえばローマの休日的な。主人公は第二話で登場したメグとシャーリーの兄貴分、レオンです。カーニバルの日、「ネーム・レス」の運転士を務めていたレオンは、昼食を買いに出た街の雑踏で、少し変わった雰囲気の少女に道を尋ねられます。電車に戻った彼は、少女と再会するのですが、彼女はとても焦った様子。なんでも大事な用事に遅れそうだ、というのですが・・・。

テンプレートなロマンスかと思いきや、結論はある程度常識的な範囲で、むしろ劇中の列車の運転ほどには無茶をしません。そもそも二人はそれほど深い知り合いでもないので、距離感としてもこれは妥当な結論でしょうね。しかしその控えめな結論込みで、この事件に関わった人達の魅力が余すところなく描かれています。例によって暴走列車ネタなのでスピード感も充分。よくあるロマンスの退屈感もなく、温かくて楽しいお話でした。

第四話は「現金輸送列車」。つまりギャングに襲われる話なのですが、これはちょっと蛇足だったかなという感じが否めません。マルコの経歴などなど、後付け感が否めないのですよね。それと、銃の扱いやら警備員のことやら、色々と無理なところが多いのです。あえて良かったところをひとつ挙げるなら、序盤でちょっと意地悪に描かれたライバル社の「ストラト・ライナー」が実は正義のヒーローだったこと、くらいでしょうか。

結びの「普通電車」は各話の後日談をまとめて。とりたてて事件のない日の主人公達を描きつつ、全てのお話の後日談をさらりと一本にまとめた手腕はさすがです。とはいえ、第一話のあの子がもう入社しているって、どうなんでしょうね。鉄道会社ってそんなに簡単に職員になれたものなんでしょうか、あの当時は。これはさすがに無理し過ぎではと思うのですけれど。

雰囲気は、ライトノベルというよりは児童文学といったところ。文章は読み易く、登場する人物はそれぞれにちゃんと個性があって、しかも魅力的です。その「人物」には車両まで含まれているところが、この作者さんの上手いところですね。電車にはマイナスイメージしかない私でさえ、「フェアリー」や「ロケットマン」、名無しの権兵衛あらため「ロイヤル・コーチ」など、各車両に愛着を感じてしまったのには驚きました。

よくあるラノベ的な無理なキャラ付けや変な話し方は一切ありませんし、主人公達が美少女だったりすることもありません。そういうありがちな付加価値ではなく、きちんと人物を描く事で読み手を惹き付けるこの文章力はさすがだと思います。そういう意味では、文芸にかなり近いライトノベルだと言えるでしょう。上品で暖かくて心意気で、読後感がとても心地良い、素敵な作品だったと思います。できれば続編が読みたいですね。

セグロセキレイを撮る

昨日は土曜日とは打って変わって、風のない温かな一日でした。私は昼前からカメラを提げて、再び一昨日と同じ河原へ。今回の目標は、主にセキレイです。野川にはハクセキレイ、キセキレイ、セグロセキレイの三種が住んでいます。特に土曜にオジロトウネンを撮影した周辺には、セグロセキレイのつがいが居るため、セキレイを狙うには丁度良いのですね。

昼前からだったので時間には大分余裕があると思っていたのですが、昨日はやたらと天気が良かったのがいけませんでした。昼過ぎからは家族連れや犬の散歩をする人々が大挙して押し寄せ、しょっちゅう中州にまで侵入するので、浅瀬で活動する小鳥達はすっかり追い払われてしまったのです。御陰でまともに撮影出来たのはお昼頃まででしたが、何枚か良い写真が撮れましたので、今日はそれについて少々。

セグロセキレイ
セグロセキレイ posted by (C)circias

上の写真は、石の上を歩くセグロセキレイ。セグロセキレイは日本の固有種で、ハクセキレイとは違い、専ら河原で活動します。川への依存が強いために生息域は限られており、ハクセキレイなどと競合関係にあることも災いして、近年はその数を減らしているのだとか。サイズはハクセキレイと同じくらいで体長約20cm、鳴き声はハクセキレイより僅かに低く、「ジュッ ジュッ」という感じの僅かな濁りが特徴です。

水を覗き込む
水を覗き込む posted by (C)circias

上の写真は、石の上から水中を覗き込むセグロセキレイ。恐らく、水中の虫でも探しているのでしょう。セグロセキレイは雑食であるということですが、こうして水辺で水中や砂利の間の虫を探している様子を多く見掛けます。どちらかといえば、昆虫等の方が好きなのかも知れません。

浅瀬を歩く
浅瀬を歩く posted by (C)circias

セグロセキレイはオジロトウネンと同様、浅い水中を歩き回る事があります。上の写真は、浅瀬を歩くセグロセキレイの様子。また、次の写真は浅瀬に立ち止まってこちらを振り返っているところです。セキレイはあまり足を濡らさないイメージだったのですが、よくよく見てみると、意外にも彼等は平気で浅瀬を歩き回っていました。ハクセキレイより川に強く依存しているというのは、こういった狩りの習性のためかも知れませんね。

浅瀬に佇む
浅瀬に佇む posted by (C)circias

次の写真は、浅瀬で足を踏ん張って、水を覗き込んでいるセグロセキレイ。嘴が開いていますが、別に鳴いている訳ではないと思います。むしろこれは、水に嘴を突き入れる直前か、あるいは直後の様子でしょう。こんな風に姿勢を低くして身を乗り出すのは、主に狩りをする時ですから。偶然撮る事が出来た、ちょっと珍しい表情です。

狙いを定めて
狙いを定めて posted by (C)circias

最後は、水浴びをするセグロセキレイの様子を。連写で何枚も撮ったのですが、まともに写っていたのはこれ一枚のみでした。彼等の水浴びをきれいに写そうと思ったら、シャッター速度は1/320では全然足りないようです。恐らく1/500以上は覚悟した方が良いでしょう。このレンズですと、そのシャッター速度を使うにはちょっと暗すぎるので、ISO感度を上げる必要がありそうですね。

水浴び
水浴び posted by (C)circias

この日はこれ以降、明るい場所でセグロセキレイに遭遇する事はほぼありませんでした。いつもの活動範囲から追い立てられてしまった彼等は、より下流の人の来ない暗いエリアをずっと歩き回っており、たまに少し上流に出て行っても、すぐにまた戻って来てしまうのです。行く度に人に驚かされていたのでしょう。この日はオジロトウネンもセグロセキレイと似たような行動をしており、上流の浅瀬では見る事が出来ませんでした。

その後も二時間ほど歩き回ってみたのですが、結果はさっぱり。釣で言うならボウズといったところで。しかも人はさらに増え、放し飼いにされている犬も何匹も目にしました。挙げ句の果てには野鳥に石を投げる老人は出るわ、変質者っぽい気持ち悪い中年男に写真をバシャバシャ撮られまくるわで、あんまり気持ち悪いので撤収する事に。なんとも気分の悪い午後になってしまいました。

面識のない人間にレンズで追われるのって、本当に気持ち悪いものですね。あれで多少なり上品な身なりの方ならそうでもないのですが、服はみっともないし頭はボッサボサ、ダウンジャケットみたいなむくみ顔でしかめっ面とあっては、別にカメラを持っていなくても見るからに不審者です。それが無言でレンズで追ってくるのですから、気持ち悪さもここに極まれり。

そしてこういう人間は、必ず一眼レフを使っているのです。だから私は意地でも一眼レフは使いたくないのですよ。自然そのものには全く感心がないくせに、カメラマンを気取ってごつい獲物を振り回すような人間にろくなのは居ません。自然を楽しみたいなら、やはりこういう手合いが居ない時と場所を選ばないといけませんね。そしてもうひとつ。ああいう変質者と同一視されないように、身だしなみには気をつけたいものです。


オジロトウネンを撮る(2)

では次に、昨日撮影したオジロトウネンの写真の中から、その表情を捉えた写真を何枚かご紹介したいと思います。まず一枚目は、小石を咥えたオジロトウネン。別に飲み込んではいませんでしたので、一体どういう意味があったのかは定かでないのですが、良く見ると嘴の先に小石を咥えています。石の上に居るオジロトウネンを撮影したところ、偶然捉える事が出来ました。

小石を咥えて
小石を咥えて posted by (C)circias

次は、首を伸ばしたオジロトウネンの様子です。彼等は普段、見慣れた鳩サブレ体型なのですが、実は結構長い首を持っているようです。恐らくは物陰や遠くを見ようとしてでしょう、たまにこうして首を伸ばす事があります。真上に首を伸ばすのはそう頻繁にはしない仕草なので、撮影出来たのは幸運でした。それにしてもこの写真、首もさることながら、胸板が凄いですね。

首を伸ばして
首を伸ばして posted by (C)circias

次の写真は、逆に目一杯首をすぼめたオジロトウネンの様子。このとき、どうやらこの個体は私を警戒していたようです。数分間この格好で固まったまま、じっとこちらを見詰めていました。私としては別にこれといって変わった動きをした覚えはないのですが、何かがお気に召さなかったようですね。

警戒中
警戒中 posted by (C)circias

こういう場合、こちらにできるのは知らん振りして動かずに居る事だけ。あまりじっと見詰めると逃げ出すので、チラ見程度に抑えて、基本はそっぽを向いています。要するに、狩りをする時に猫がやるあれですね。人間からみると馬鹿げた誤摩化しにしか見えないのですが、どうやら鳥に対しては確かに効果があるようです。次の写真は、ようやく警戒を解いて動き始めたオジロトウネンの様子。約5分ほど固まっていました。

警戒解除
警戒解除 posted by (C)circias

最後は、この日のとっておき。ブルブルっと頭を振って、水を跳ね飛ばすオジロトウネンの様子です。彼等は大胆に水に頭を突っ込みますが、何度もやっているとさすがに水が沁みて来るようですね。しばし水の中を突き回した後、こんな風に頭を振って水を飛ばしている様子を目にしました。ちょっと分かりにくいかも知れませんが、写真には飛び散る水滴も写っています。

ブルブルッ
ブルブルッ posted by (C)circias

この辺りで見掛けるオジロトウネンはこれ一羽のみなので、恐らくたった一匹をずっとつけ回していたことになるでしょう。しかし、一度近付き過ぎて警戒されたほかは、特に気にされる事もなく撮影を続ける事が出来ました。こうしてずっと観察してみると、色々な表情を見る事ができますし、生き生きとした表情を捉える事が出来るので楽しいですね。

ただこれをやるためには、「人が居ない」という条件が満たされていなければなりません。実は今日も同じ場所に行ってみたのですけれど、今日は天気が良く温かい一日だったので、中州にまで侵入する犬や子供に追い立てられてしまい、野鳥は全然観察出来ませんでした。こうなってしまうと彼等は人を酷く警戒するので、近付く事さえ容易ではありません。こんなにも接写出来た昨日が、まるで嘘のようです。

昨日は酷く寒くて風の強い日でしたけれど、人間が居ないという意味では、逆に恵まれた環境だったわけですね。水辺の鳥を撮るのなら、そういう日が逆に狙い目なのかも知れません。
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