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日々の便り

 

指板のサンディングと仕上げ

しばし電装系に浮気をしていましたが、ここらで再び指板の修復のお話を。一週間かけて盛りに盛ったサンディングシーラーですが、ようやく充分な厚さになってくれました。次の写真は、指板の塗装ハガレ二箇所のうちヘッド側の傷に塗り重ねたサンディングシーラーの様子。見た目だいぶ指板より盛り上がっていますね。でも、傷の中の厚みは、これで丁度くらいなんです。

2019-06-29
2019-06-29 posted by (C)circias

まずは、このサンディングシーラーを320番の紙やすりで削って、指板とツライチよりちょっと低いかな、という高さまで下げていきます。この時、指板側をあまり削らないように、細く切った紙やすりで塗装箇所の中心から外側に指先を向けるようにして削るのがコツ。丁寧に根気よく、力入れずに回転数を上げる感じで。削り続けること1時間ほどで、指板面と高さが揃ってくれました。

2019-06-29
2019-06-29 posted by (C)circias

削りが終わったら、今度は仕上げのラッカーを塗ります。ただし、これもサンディングするので余計なところに塗らないように注意が必要。サンディングシーラーを少しだけ余分に削ったのは、ラッカーの厚みを稼ぐためです。ここからの作業は、

1)ラッカーを塗る
2)320番で平面を研ぎ出す

の繰り返しを2回ほど。ラッカーは少し薄め液で薄めた方が、周囲との段差ができづらくて、あとあと楽です。濃いままだと筆跡が残ってしまうので、研ぎ出しに時間がかかりますしね。その後、研いだ面を1000番の紙やすりで水研ぎし、さらにプラスチック用の磨き粉で磨き上げれば完成。次の写真は、二箇所の傷の仕上がり具合です。まずはヘッド側。

2019-06-29
2019-06-29 posted by (C)circias

そしてボディ側の様子がこちら。写真には写りませんが、ボディ側の方が少しうまく仕上がりました。やはり、後で作業した側の方がきれいにできるものなのですね、慣れの関係で。

2019-06-29
2019-06-29 posted by (C)circias

もっとも、どちらも注意しなければ触ってもわからないくらいにはきれいに仕上がりましたので、まぁ素人なりに上手くいった方なのではないかと。さすがに、光を反射させて段差を探されてしまうと、どこからどこまでがラッカーなのかバレてしまうのですが・・・。

なお、傷周りの色が白っぽいのはサンディング痕ではなく、そこだけ日焼けしていないからです。前のオーナーはよほど手酷くこの個体を扱ったようで、早々に指板に穴を開けて、それをシールでごまかしていたようなのですよね。ボディにも同じく酷い打ち傷と、それをシールでごまかした跡があります。

まぁ楽器としては安物の類ですから、扱いが荒くなるのかもしれませんけれど、こういう扱いはちょっと残念。シールでごまかすのではなく、タッチアップにしてくれたら、もう少し綺麗に修復できていたのですけれどねぇ。楽器にシールを貼る人って多いですけれど、あれはやめた方が良いと思うのです。あとで、酷くみっともないことになるので。


古い国産ボリュームの組み立て

日曜日に古い国産のボリュームをバラしましたが、いざ組み立てようという段になって、接点グリスがないことに気がつきました。軸に塗るグリスも、高粘度タイプのものは在庫がありませんでしたね、そういえば。というわけで、慌ててAmazonで注文したのがこちら。



さすがに接点グリスはちょっとお高いですね。普段は滅多に使わない類のものですが、まぁ腐るものでもないですし。それに、もし今回ボリュームの修復に成功したら、今後は同様の作業をする機会が増えそうですしね。というわけでポチって待つこと二日、本日品物が届きました。

では早速グリスを・・・といいたいところですが、その前に片付けなければならない問題が一つあります。それは、摺動する接点のプラパーツを、どうやって軸に固定するかということです。軸を清掃してグリスアップするためにあの出っ張りは削ってしまいましたから、もはやパーツを引っ掛けてくれるものはありません。まぁそもそも潰した軸端を削った時点で、引っ張れば抜ける程度には固定が弱くなっていたようなのですけれども。

というわけで色々考えた結果、軸に穴を開けて針金を通し、ストッパーにすることにしました。というわけで、まずは軸端付近にドリルで穴を開けます。次の写真は、作成した穴の様子。今回はとりあえずお試しということもあり、一箇所だけ穴を開けてみました。穴開けには0.75mmの精密ドリルを使用しています。

2019-06-25
2019-06-25 posted by (C)circias

穴あけと軸の清掃が終わったら、各部をグリスアップして組み上げます。回路部と摺動部のプラパーツを装着し、プラパーツの裏側に顔を出したこの穴に、針金を通した様子がこちら。できれば0.5mmを使いたかったのですが、今回は手元に0.3mmの針金しかなかったので、0.3mmのステンレス針金を用いました。

2019-06-25
2019-06-25 posted by (C)circias

やや頼りない感じはしますが、ストッパーとしては充分に機能してくれるようですね。ただ、心もとない二点支持になってしまっていますので、次に同様の作業をする機会があれば、穴を二箇所にして、せめて四点支持か線による支持にしたいところです。

普通のボリュームならあまり強い力で引っ張られることはないのですけど、ギターのボリュームに限っては、プラノブを引き抜く際にかなり無理な力をかける場合がありますので。とはいえ、今回はプレベなので、この程度のストッパーでも問題はないでしょう、多分。針金をくくって外れないようにしたら、あとはカバーをつけて出来上がりです。

2019-06-25
2019-06-25 posted by (C)circias

ボロボロのドロドロだった小汚いボリュームが、ご覧の通り中も外もきれいに修復されました。試しにテスターで動作を確認してみたところ、問題なく導通しているようです。抵抗値もバラす前と全く変わっていませんでしたので、問題なく使えるのではないかと。もっとも、バラす前から抵抗値が220Kなのはちょっと気になるところですが。

今回は思いつきでボリュームのバラシに挑戦してみましたが、お陰で貴重なノウハウを得ることができました。再組み立てを想定した設計のボリュームをバラしている記事はよく見かけますが、軸に穴を開けて針金で止めるなんて荒技をやっている人は、そう多くは居りますまい。あくまで自己満足であって、特に意味はないのですが・・・こういうのって、不思議な達成感があって楽しいのですよね。これだから修理はやめられません。


古い国産ボリュームを分解する


趣味ならば 茨の道を 往きてこそ

というわけで。一度は断念した国産ボリームの分解ですが、ここはあえて挑んでみることにしました。新しい部品に替えるだけなら別に誰にだって出来るのだし、工具なら一通り揃っているのだし。ついでに今日も生憎のお天気で、山にはいけないのだし。

分解の方法は簡単。昨日の検証でボリュームの軸端を潰してストッパーにしていることは分かっていましたので、単にそこをルータで削って、あとは太めのマイナスドライバをてこにして、慎重に抜き取るだけです。ルータビットは普通のハイス鋼のを選択。あっけないくらいにサクサク削ることができました。思ったよりヤワい金属ですね、これ。で、分解した様子がこちら。

2019-06-23
2019-06-23 posted by (C)circias

ボリュームの軸は回路側が四角くなっていて、そこに樹脂パーツがはめ込まれていました。はめ合いは結構硬く、別に軸端を潰さなくても抜けないのではないかと思えるほど。これは、軸端を潰した時に、軸の末端側が僅かに広がるように変形したためのようです。というわけで、軸端の20倍拡大画像をどうぞ。

2019-06-23
2019-06-23 posted by (C)circias

この広がりがあるために、このままでは軸を引き抜くことができません。軸の歪みを矯正したいなら、この広がった部分を削り落とさなければならないようです。まぁ削るのは全く問題ないのですけれども、問題はその後ですね。どうやって歪んだ軸を直すのか・・・まぁ叩いて直すのでしょうけれど、さすがに板金の技術はないのですよねぇ。

さて、次に問題なのは回路の方。まずは中央のアース側の摺動端子を拡大してみましたが、これは意外にも綺麗なものでした。こちらがその写真です。

2019-06-23
2019-06-23 posted by (C)circias

となれば、問題はやっぱりカーボン抵抗部とその摺動端子ですよねぇ。えぇまぁどうせそんなことだろうと分かってはいましたけれども。けれども! 端子はともかくカーボンは直せないので、ここが傷んでると苦しいところなのですが、はい、ご覧の通りでした。まずはカーボン。

2019-06-23
2019-06-23 posted by (C)circias

文句なしの深溝ですね、残念。とはいえ厚みは残っていますので、絶望的というほどではありません。表面をきれいにクリーニングすれば、あるいはまだいけるのではないでしょうか。一方、端子側はこんな感じでした。

2019-06-23
2019-06-23 posted by (C)circias

これでもかとばかりに汚れてはいますが、幸いそれほど磨耗は見られないようです。これならば、クリーニングして保護剤でコーティングしてやれば、まだ使えるのではないでしょうか。これはちょっと面白くなってきましたね。ここからの作業ですが

1)洗浄
2)CAIGでコーティング
3)接点をグリスアップ
4)軸をグリスアップ
5)再組み立て

で、動作チェックとなります。軸の整形にも挑戦したいですけれど、これは金床とか万力とかがないとどうにもならないのでパス。こういうとき、室内作業は辛いですね。ハンマーをガンガン使える環境が欲しいです。まぁ、東京ではなかなかそんな贅沢な環境は揃えられないのですが。

しかし、こうなってくると、やはりピックアップも一度はオリジナルを使ってみるべきですよね、流れ的に。うぅむ、ピックガード、削りますか・・・。





思い立って、ベースを直す

気がつけば、もう6月が三分の2ほど終わってしまいました。要するにほぼ半年終わったわけですねぇ。つまりこのブログも半年放置だったわけで・・・思えば時間の経つののなんと早いことか。何度かブログを更新しようと思ったこともあったのですが、年始に気管支炎で寝込んで2月まで引きずったせいか、とにかく体力がありませんで。小学生並みの早寝になってしまって、ブログどころではなかったのです。

しかし、ここへきてようやく少し、文章を書くのが苦にならない程度には体力が回復してきました。というわけで、近況報告も兼ねて、久々に更新を。

6月に入ってからこちら、週末の天気が思わしくありません。お陰で山へ行けないのは残念ですが、見方を変えれば日頃怠りがちな室内での作業、特に片付けをする良い機会であるとも言えます。というわけで、コツコツと片付けやら服の入れ替えやら古い書籍の電子化やらに勤しんでいたのですが、そんな中、かつて買い集めたジャンク楽器が気になりだしました。

買った当時はまだ余暇と言えるものがある程度あったので、ジャンクを買っては修理して遊んでいたのですよね。しかし、素材扱いのジャンクベースを二本買ったあたりで、急に介護が忙しくなって・・・結局、そのまま放置して、もう10年近くになるのではないでしょうか。

とはいえ、70年代後半のジャンクなので、90年代の粗製乱造品とは違って素材もそこそこ良く、作りもそんなに悪くない品物。捨ててしまうのはさすがにあんまりだろうと、清掃がてらいじり回していたのですが、これがいけませんでした。なんとなく弾いてみたのが運の尽き。いかにもロックらしいプレシジョンベースの生音にすっかりやられてしまって、思わず修理を始めてしまったのです。

とはいえ、昔ほど時間があるわけではありませんから、今回は時間をかけてじっくりゆっくりとやる予定。まずは、指板の塗装剥がれから。ボディの剥がれなら放置しても味と言い張れますが(本当に味になるとは言ってない)、指板は指や弦が引っかかるので演奏に障りますし、それで剥がれが広がるかも知れません。なので、ここはじっくりといきます。

2019-06-22
2019-06-22 posted by (C)circias

2019-06-22
2019-06-22 posted by (C)circias

上の写真二枚は、指板にできた塗装剥がれの様子。適当にラッカーでタッチアップしてありますが、触ると指が引っかかるくらいにはデコボコしています。これをなだらかに修復するには、塗膜の厚みが必要ですね。となればウレタンのクリアを使いたいところですが、市販のウレタン塗料は柔らかいので指板には向きません。そこで、サンディングシーラーを盛ってからラッカーで仕上げることにしました。

一週間毎日2回から3回、全部で20回程度。軽く削って盛ってを繰り返し、塗膜を厚くしていきます。急がず慌てず、ここはじっくりと進めましょう。塗料の説明書によれば、重ね塗りする場合の乾燥時間は最低60分とのことですので、念のために120分以上は乾かします。

指板の塗装を修復するのと同時に、ボディのほうの修復も開始しました。え、のんびりじゃないのかって? のんびりしてますよ、昔に比べたら。以前なら多分、二週間で全部直してましたからねぇ。まぁそれはともかく。この個体はARIA ProのPB-400と思われますが、形状の再現がかなりイマイチで、Fenderに合わせたピックガードはネジ穴が全く合いません。しかしオリジナルのピックガードは縮んだ上に波打ってしまっていて使い物にならないのですね。

そこで、ピックガードをFender仕様に置き換えるべく、元あったピックガードのネジ穴を木栓で塞ぎます。できれば本体と同じ材質を使うべきなのですが、さすがにそこまで拘るほどの名器でもありませんので・・・ここは妥協して、3mmの工作材丸棒を切って使う方向で。手順は次の通りです。

1)ネジ穴の深さを測る
2)深さに合わせて工作材丸棒(3mm)を切り出す
3)3.2mmのドリルでネジ穴をさらう
4)爪楊枝でコニシボンドを穴の中に塗りつける
5)ショックレスハンマーで木栓を打ち込む
6)ボディ面とツライチになるようにノミとヤスリで仕上げる

根気のいる地味な作業ですが、まぁのんびりするつもりで少しずつやっていけば問題ありません。私の場合、昔取った杵柄というやつで、思ったよりスムーズに作業が進み、今日の午前中には穴埋めが終わりました。次の写真は、穴埋めが終わったボディの様子です。

2019-06-22
2019-06-22 posted by (C)circias

2019-06-22
2019-06-22 posted by (C)circias

さて、次はピックガードを・・・と言いたいところなのですけど、その前に、ピックアップをどうするのかを決めないといけません。というのも、オリジナルのピックアップは一般的それと比べると一回り大きくて、Fender仕様のピックガードには通らないからです。

ピックガードを削るなら、ちゃんと治具を作った方が良いでしょう。フリーハンドで削ると、エッジがまっすぐにならないので、みっともない見てくれになってしまいますからね。一方、新しいピックアップを使うなら、ネジ穴やらコントロールやらを含めて見直しが必要になるわけですが、こうなると問題になるのは、オリジナルのパーツをどこまで使うのか、ということです。

そこで、オリジナルパーツの修理ができるかどうかを検討するために、ガリの出ているポットを分解してみたのですが・・・あぁ、これはダメですね。

2019-06-22
2019-06-22 posted by (C)circias

本物が採用しているビンテージポットと違い、この年代の国産ものは使い捨て前提のパーツが使われているようです。軸端を潰してCリングの代わりにしているため、軸を抜くことができません。まぁルータで削って一旦外し、あとで穴を開けて金具を通すという手もあるのですが・・・さすがにそこまではしなくとも良い気がしますね。

元のオーナーさんはこの個体をよほど手荒く扱ったようで、ポットの軸が斜めに曲がってしまっていますし・・・うん、ここは置き換えでいきましょう。となるとますます悩ましいのが、ピックアップをどうするか、なのですけれど。うぅむ、どうせ安物の音がすると分かっていても、「オリジナル」って言葉には魅惑の響きがありますよねぇ。

ここは初志貫徹でピックガードを削るのか、はたまた妥協して中古ピックアップでも買ってくるか。悩ましいところです。まぁ、急ぐ仕事でもありませんし、ここは他を直しつつ、のんびり考えるとしましょうか。

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